
奥深い 鎮守の森
鎌ヶ谷駅西口を出て南へ。商店街を抜け、道野辺八幡神社や果樹園、長屋門の農家宅などを過ぎるとやがて、こんもりとした緑が見えてくる。鎌ヶ谷市民の森と、それに隣接する根頭神社の森だ。
市民の森の入口周辺は、スギの高木が天高く伸びている。その根元はキャンプ場として整備され、取材のこの日も3つのテントがはられていた。
うっそうとした森は、その奥に広がっている。ムクノキ、ヒノキ、タケやぶ…。足元には、木の葉がつもり、かすかに続く帯は「けものみち」なのかもしれない。
「管理し過ぎず、できるだけ自然のままを大切にしている」と市公園緑地課。一人では少々寂しくなるが、探検気分が味わえる。
11月も後半。ドングリの実が落ち、木の葉の間にたくさん隠れている。顔を上げれば、クヌギやナラ、カシなど。
落葉高木のネムノキやコナラは、葉がうっすらと色づき始めている。
葉を落とす木々が増え、林床にまで光が差し込む。その光を頼りに、まだ背丈の低いシュロやアオキが自生していた。
土手を登ると目の前が開け、根頭神社の境内に出た。
本殿の周辺は、巨木が立ち並ぶ。なるほど、ここは鎮守の森だ。
スダジイは幹回り3・84bで市指定保存樹林。ほかに推定樹齢約100年のスギや、アカガシ、ヒノキなどがある。
林床も明るく、様々な種がひしめきあっている。花期は終わったが、タイアザミ、カシワバハグマ、ヒトリシズカ、フジカンゾウのほか、ミヤマナリコユリの群落やクマガイソウも見られる。
鳥居から境内までの参道脇にも、保存樹林のヤマザクラが1本。ソメイヨシノとはまた違った風情で春を楽しませてくれる。
この神社の森の手入れを行っているのは氏子ら。下草刈りなど、長年にわたり、鎮守の森を育ててきた。
かつては、クロマツの植林地。その後、クロマツの枯死跡を宅地化やナシ園にし、緑の総面積は約60%減少。それでも、93年の市の調査では、309種類の植物が認められている。
森から外へ出て、少し遠くから眺めると、クズやフジなどのツル植物、タラノキ、ツリバリなど低木が見える。こうした「マント群落」が、林に光や風が入るのを防ぎ、林内の湿度や温度などを一定に保ってくれる。
人の手と、自然の循環で、森は守られていた。
【交通】東武野田線鎌ヶ谷駅徒歩15分 (06/11/18号)
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