人、本、古着…との思わぬ出会い
自由な発想のコラボレーション
放浪書房 津田沼店=Garage Sale本店
「旅の本あります」。JR津田沼駅快速ホームから、一風変わった看板が目に入る。
駅北口を出て線路沿いを歩き、看板の下に着くと、そこは意外にも、以前からある古着屋だ。20年前、この地で創業した「Garage Sale本店」。 店内には、ヴィンテージの古着、アウトドア用品、雑貨、ディズニーグッズなどのほかに、なるほど、あらゆる「旅本」が、所狭しと並ぶ。
旅本は、昨年1月、同店とタイアップした放浪書房店主の富永浩通さん(32)の商品。「放浪書房」とはその名の通り、移動する旅本専門店だ。
「人と話すのが大好き」というガレージセールの青山健一店長(36)が2年前、「面白いやつがいる」と知人に紹介されたのが富永さんだった。
富永さん流に言うと、「放浪書房」の「本店」は「全国あっちこっち」。高校卒業後、沢木耕太郎の『深夜特急』をバッグに忍ばせ自転車旅行した富永さん。「旅も本も好き」が高じて、06年に「通りすがりの人々相手に多種多様な旅本を売り歩く」ことを始めた。
その「本店」の一つが、船橋ららぽーと内の「一坪だけ店」にあった。廃止になったことで、青山店長が「家においでよ」と声をかけた。そうして、ガレージセール内に「放浪書房・津田沼店」が開店したというワケ。
「日々の中には、思いがけない出会いが溢れている」。それが人であれ、本であれ、服であれ、「ワクワク感」は共通だ。
この週末は、ガレージセール店頭にて古本フリーマーケット「月刊放浪書房」を開催中。船橋市前原西2‐7‐11三真ビルA1階。11時〜20時。定休・駐車場なし。пi493)1236。
直売所「石井農園」
代々の農家、いま27代目
西洋野菜栽培に専門店も注目
JR西船橋駅と下総中山駅の線路沿い南側、電車の窓からマンションとマンションの間にふと現れる畑とその真ん中にある直売所「石井農園」。船橋で江戸時代以前から代々農業を営むという石井家の直売所だ。
現在、27代目の石井秀樹さん(31)と弟・利幸さん(30)が中心だ。
同園で知られるのがイチゴ狩り。黄金週間までにぎわいを見せ、シーズンも終了し一段落した。イチゴは、秀樹さんが13年ほど前から栽培に取り組み、当初は直売所での販売だけだったが、今ではイチゴ狩りができるほどに規模を拡大してきた。イチゴ狩りは毎年2月〜5月上旬に行われ、日中は働く大人のために19時からの「ナイトストロベリーツアー」も企画している。
イチゴ以上に注目したいのが、08年から直売所の棚に並ぶようになった珍しい西洋野菜だ。丸いズッキーニやルッコラ、ラディッシュ、ミニトマトなど。これらは、利幸さんが栽培している。
利幸さんの夢は、自ら育てた安全で新鮮な野菜を調理するイタリア料理店を持つこと。新しい野菜作りは失敗と試行錯誤の連続だが、「自分が調理してみたい野菜」という目線は、調理人たちの共感を呼び、千葉や東京の飲食店20軒以上が直接買い付けにやってくる。直売所店内には、野菜の料理方法も合わせて紹介されていて、新しいメニューに挑戦したい主婦層に大いにウケている。
船橋市本郷町516‐1。10時〜17時(無くなり次第終了)、月曜定休。рO47(302)5575。
三島屋豆腐店
「水」「豆」「技」にこだわり50年親から子へ受け継ぐ味と新風
「清水山」とよばれ豊富な湧水に恵まれたという松が丘。1960年に川崎市で創業した「三島屋豆腐店」が、この地にやってきたのは、68年。以来、地道に豆腐づくりを続けてきた。
うまい豆腐づくりの3大条件は、「水」「豆」「技」。「水」は自宅近くの井戸からくみ上げる「自慢の清水」。「豆」は君津産「小糸在来」など、国産大豆と日本の商社直接育成品種のブレンドを使用する。そして、創業者の佐藤昭三さん(76)の「技術」を長男の勝昭さん(46)が受け継いだ。製作過程で、保存料添加や殺菌処理はしない。
豆腐以外で男女問わず根強い人気があるのは、豆乳。健康、ダイエットなど目的は様々で「癖のない飲みやすさ」が評判、店には常連の名前付き「専用容器」もある。ほか、豆乳100%の焼きプリン「豆乳クレームキャラメル」(160円)は甘さ控えめ、豆乳の風味を生かした商品だ。
流行の機械は使わず手揚げをつらぬく油揚げ、揚げだし豆腐やがんもどき、生湯葉も人気だ。
これらは、昭三さんが長年育んできた「変わらぬ味」。その思いや味を守りつつ、勝昭さんは「豆腐屋のイメージを払拭し、新たな風を吹き込みたい」と構想を膨らませる。
そのひとつは、「食物のリサイクルをさらに実現させたい」という思い。通常、産業廃棄物になる「おから」を肥料や牛のエサにとして市内農家に提供。また、畑を借りて豆の自社栽培を行うなど、様々な手法で「豆腐」の可能性を広げる。
地域は戸建が多く転居が少ないベットタウンという土地柄。畑や松林に囲まれていた頃から、地域や人々を見守り続ける一軒の豆腐屋が、今も、「変わるもの」「変わらぬもの」それぞれの長所を生かした豆腐作りを心がける。
松が丘4‐31‐3。早朝〜19時(祝日は15時)。日曜定休。市内個別配達、地方発送あり。пi465)2019
「The Tea House」
住宅街の一角にひっそりふんだん野菜・仏の家庭料理
みやぎ台の閑静な住宅街の一角にある「The Tea House」は、インド紅茶とお菓子の店。玄関横の小さな看板に目を凝らさなければ、お店とは気付かない、一般の戸建て住宅だ。小さなポストと玄関前の草花たちを目印に。
オーナーは関川朋子さん。料理からデザートまで一人で作っている。月替わりランチ(1500円・要予約)はフランスの家庭料理が主で、前菜、メーンディッシュ、デザートにポットサービスの紅茶…。低カロリーだが、野菜がふんだんで、これなら「1日分の栄養を補える」という。
並みの2倍半はあろうかというカップにたっぷり入った紅茶は、「長くおしゃべりが楽しめるように」との配慮だ。
元インド政府紅茶省広報官から直接から仕入れるという紅茶は季節ごとの厳選。高品質で、ストロベリーやアプリコット、キディーティ、バニラベリーと種類も豊富で、あくまでも「能書きより旨いかどうか」を基準に選んだ。
20歳のとき、東ヨーロッパのブルガリアを訪問、「現地の味を今も覚えている」。その後、菓子づくりは学んだが、料理教室に通ったことはない。
98年のオープン以来、ほとんど休みなく料理と向き合ってきた。客は、そんな関川さんが焼いたスコーンに秘められたチーズの香りを感じ、スープの野菜の甘みに舌鼓を打つ。そんな「お客様の至福の顔を見るのがなによりの喜び」。
「おせっかいではない、おもてなし」を心がけ、「美味しいと思うものを出すだけ」と力みがない。
ランチ11時半〜14時半、ティータイム14時半〜17時。日曜・祝日定休。駐車場4台。船橋市みやぎ台1‐15‐20。пi447)8154
共同運営の「鈴身直売所」
農家の朝獲り野菜や手作り品
「おいしい」の声にほころぶ口元
里山と田園、そんなのどかな風景が広がる船橋市の北部。その一角にある「鈴身直売所」は、地区の農家の主婦たちによる「鈴の音会」が運営する共同直売所だ。
棚に並ぶ商品は、地区内の農家による「朝獲り」野菜や山菜類。そのほか手作りの漬物やみそ、もちなど。家から手押し車に積み運んでくる。
オープンは97年。当時すでに、地区内の農業従事者は高齢に達し、車で40分以上かかる船橋市中央卸売市場まで出荷するにも困難な状況になっていた。
「このまま農業を続けてよいものか」、皆が悩んだ。自家用にと、細々と野菜作りを続ける農家でも、大量に余った。
そこで、「ものは試し」、年に1度の農水産祭りに出品してみた。すると目前で、自分たちが手塩にかけて育てた野菜が瞬く間に売れるではないか。
「喜んでもらえるのなら、売りたい」。思い立ったのが直売所だ。
メンバーの一人中野洋子さん(63)は自宅の前に売り場を作ることを提案した。
夫の勲さんと仲間が裏山から木材を切り出して小屋を手作り、売り場が完成した。
メンバーは現在5人。交替で店の番をし、帳簿を付けた。今、117冊目に突入した。
「みんなと話せるから楽しいのよねえ」とメンバーの村本よしさん(84)が直売所の付加価値を代弁する。かつてあった、村の鎮守に集う「講」。いつしか途絶えた、その地区内の井戸端会議の場が「野菜直売所」にとって代わった。
「おいしかったって聞くと嬉しくってねえ」
店に来た客を、お茶とお手製の漬物でもてなす。
鈴身町340。9時〜日没。пi457)1836中野さん。
芝山団地の食卓支え33年
親子2代で地域を元気に
パン屋「アーノルド・フジ・タカムラ」
77年、芝山団地の入居とともに団地1階で住民の食を支える場としてオープンした公設市場・芝山プラザ。そのなかで当時から変わらぬ味を食卓に届けているのが、パン屋「アーノルド・フジ・タカムラ」だ。この3月で33周年を迎えた。
店頭に並ぶパンは常時80〜90種と多品目だ。なぜならば、「あのお客さんには『これ』」と決まっていて、「もし、いつもの好きな味がなくなってしまったらさびしがる」と、店長の高村耕三さん。「あの人のため」のパン焼きを大切にしている。
最近では、足が悪くなって来店できなくなった常連客への個別宅配も始めた。また、かつて芝山中学にパンを納品していたこともあり、卒業生が「懐かしい」と買いに来ることもしばしば。
そして1年半前、長男の清太郎さん(28)が、店を継ぐ決心をした。
その若い感覚で早速、新作を次々と提案して新風を吹き込んでいる。
豆乳クリームとこしあんを入れた「豆乳あんぱん」(137円)や「きなこもちあんぱん」(137円)、「ラスク」(60円)など。国産野沢菜入りの「野沢菜パン」(147円)は店の一番人気だ。さらに高校時代から続けるバンド活動の特技を生かし、「チョコの歌」「アイスの歌」などを作曲して店を盛り上げる。
親子2代、パンづくりに込める思いが一致する。
「地域を元気にしたい」
芝山3‐10‐2‐107、8時〜20時、月曜休、пi464)6974。
ダイニングみどりかわ
煮込み自慢の洋食
基本守る熟練の味
東船橋駅北口から徒歩2分。ドアを開けると、そこは山小屋レストランのよう。木製のテーブルとイス。ほのかな灯が落ち着きを増す。壁際の棚には料理本と花が並び、帝国ホテルの料理長だった村上信夫さんの直筆のサインもある。
奥にある厨房から「いらっしゃい」と声がした。経営者の緑川和雄さん(65)と次男の祐輔さん(30)親子だ。
自慢は「黒毛和牛のビーフシチュー」(2100円)。ベースのデミグラスソースは1週間以上かけて煮込む。その中で寄り添うのは、赤ワインで数時間煮込んだ牛肉と、ニンジンやブロッコリーなどの温野菜。「それぞれの味」を持ち合う。
「煮込む」という作業には、「洋食の基本が凝縮されている」という。「店の顔、質が試される」行程でもある。持ち帰りもできる。
人気は、1日10食平日限定の週替りランチ(980円・サラダとコーヒー付き)。肉汁たっぷりのハンバーグやソテーなど、その味に照らすと格安だ。
和雄さんは、17歳で料理人の道へ入った。牛肉を叩いて薄くしタマネギに漬け込む「シャリアピン・ステーキ」を考案した料理人・筒井福夫氏の下で働いた。もちろん同店の人気メニュー(2200円)で、修行時代からの基本レシピを忠実に受け継いでいる。
「仕事と、ひたむきに向き合うことで、時には感覚としてのひらめきに出くわす」。それが料理に反映し、熟練の味を生み出す。
「お客さんが本心で言ってくれる意見が成長させてくれる」。料理一筋半世紀の仕事人は、あくまでも謙虚だ。
「洋食の世界は知れば知るほどおもしろい」。客には多様なメニューを食してほしいと願う。
平日11時半〜15時・18時〜21時半、土日祝11時半〜21時(閉店30分前LO)。毎水曜・第3火曜ディナー定休。駐車場3台。東船橋2‐9‐9。пi425)9156
ワイン箱入りの新鮮野菜
リニューアルで惣菜充実
ファミリーレストランが建ちならぶ夏見台の県道沿い。その一角に、生野菜がうまい、ともっぱら評判なのが「ボンサンテ・市場の食卓」。風になびくパラソルやワイン箱に入った新鮮な野菜…。店内は、そんなフランスの市場を連想させる。
ボンサンテ、とはフランス語で「健康に乾杯!」を意味する。といっても大げさではなく、「バランスよい栄養と楽しい時間が、健康の元」と石崎達店長(37)はそのコンセプトを話す。
ランチタイムでは、来客の約9割が女性。安価格競争の激戦区という立地の中、価格競争にくみしない同店の常連客は多い。
人気の秘密の一つは、2階のレストランに上がると目に飛び込んでくるビュッフェ形式のマーケットテーブル。店名通り「市場の臨場感をそのままに」と、みずみずしく輝く生野菜が所狭しと並んでいる。今月7日のリニューアルで、そうざい、デザートも充実した。
生野菜の中には、アイスプラントの仲間で塩味が効いた「プッチーナ」、甘味が強いプチトマト「アイコ」など耳慣れない種類も。石崎店長にとって、「ここの野菜は一味違うね」の客の一言がいちばんうれしいという。
野菜だけでは物足りない、という人には「海老入り豆腐ハンバーグ」(ランチセット・940円)「野菜たっぷりタジン」(同・1380円)などがおすすめだ。
1階では、職人が焼く野菜ケーキが好評だ。例えば「ベジロール」(320円)。生地に練りこんだホウレンソウと生クリームの相性が抜群。さらに、手づくりのニンジンジャムが程よく甘味を添える。
「これ、なんだろう?」そんな「食への好奇心を引き出したい」という。
11時〜16時、17時〜23時(土日祝日は11時〜23時)。無休。駐車場25台。船橋市夏見台2‐4‐18。пi429)7831
「ソムリエ」のいる
コンビニエンスコミュニティ・ストア「浜田屋商店」
一見、普通のコンビニエンスストア。しかし店内の奥には、ビンテージワインが数十種類、ところ狭しと並べられている。それぞれに、「平均樹齢25年のメルロー主体で製造」「ソフトな果実味が魅力的」「調和のとれた酸味がすっきり爽快」など、手書き文字のていねいな解説が付いている。
書いたのは、店長の日野原敏文さん(36)。04年、日本協会認定のワインアドバイザーの資格を取得した「ソムリエ」。
「大手では扱えない、限定生産ものを置いています」と、日野原さん。
例えば、高級ワインを生んだ畑に隣接する畑でとれたブドウを用いた日本未導入のワイン、フランスに100ケースしかない94年のボルドーなど。
「掘り出しもの」にこだわる、ワインの輸入商社やワイン商と情報交換を密にすることで、「浜田屋だけ」のラインナップを実現。店頭と倉庫をあわせて、常時300種類をそろえている。
そうした日野原さんのワインへの情熱は本場・フランスで認められた。
昨年、ワインの親善大使としての称号「シュバリエ」をワイン生産で有名なポムロール地区から与えられたのだ。同じ資格を持つ日本人は、現在10人だけ。
「本当に美味しいものを、どこにも負けない低価格で」と日野原さん。創業100年以上の浜田屋5代目として、代々受け継がれた商売のモットーを守りながら、店の新たな価値づくりに奮闘している。
船橋市海神6‐20‐27。7時〜24時、年中無休。пi431)2584
こだわる国産大豆
「街にワクワク感」の仕掛けも
和庵(なごみあん)「宍倉豆富店」
ショーケースに、行儀よく並んだとうふパックが、控えめに蛍光灯に照らされている。下地が畳という珍しいショーケース。とうふという和のテーストにぴったりの陳列だ。
学生の街、大久保にある「和庵(なごみあん)宍倉豆富店」。創業50年が経過し昨年9月、リニューアルした。最近、近隣のマンション建設が相次ぎ、昔からの常連のほか客層は若い世代まで人気が広がりつつある。
熱々の湯どうふが恋しいこの季節。しょう油なしでもふわりと大豆の甘味が香る、和庵のとうふを多くの人が買い求める。
原料の大豆はすべて国産。佐賀産のフクユタカや北海道産ユキホマレなど、選りすぐり。「添加物を使わない」「商品は翌日に持ち越さない」をポリシーに、定番の「きぬ」、「もめん」、「寄せ」はもちろん、柚子や山イモいりなどレパートリーは広い。
とうふ店に欠かせない、油揚げや揚げ出し、ゆば、がんも煮などの惣菜のほか、甘すぎない豆乳ドーナツ(90円)は男性客に人気がある。
店を守り続けているのは、5代目の宍倉昇さん。父親が他界し、20歳で会社員から転身、家業を継いだ。妻の真由美さんと母親の玲子さんが昇さんを支える。
昨年、君津市にある畑を借り、県の希少大豆「小糸在来」の栽培に取り組んだ。芳醇な香りを放つ小糸在来。収穫したエダマメと、それを原料にしたとうふを店頭に並べたところ客の反応は上々。「街にワクワク感を」という昇さんの狙いが奏功した。
「とうふは子どものようなもの。天気や温度、湿度に敏感で、機嫌が読めないこともある」。何色にも染まってしまう白さの中に、「面白さがある」。
大久保3‐13‐12。9時〜19時。日・祝日定休。пi472)0135
全粒粉メニューで心身を癒すカフェ
「Cafe nico nico」
赤茶色のひさしが目印。屋内の壁も赤茶色で、癒しの地として知られる、アメリカ・セドナの赤土をイメージしたという。
全粒粉を使った料理や油を使わないケーキ、カフェイン抜きのコーヒーなど、健康志向のメニューが口コミで広がり、安心安全を求める子育て世代や高齢者に評判がよい。
オーナーは小田純司さん(36)、美恵さん(37)夫妻。
「子どもと一緒に生活したい」。それがカフェを開くきっかけ。自宅の袖ヶ浦からほど近い場所に、今年4月オープンした。
結婚してしばらくは東京勤めで早朝に出勤し夜遅く帰る毎日だったが、3年前に長女が生まれて、家族が一緒に過ごすことができる生活を真剣に考え始めた。
その答えが、地元でカフェを開くこと。純司さんは調理師で、和食、洋食、パーティー用軽食など豊富な経験があった。美穂さんも、お菓子作りは小さいころからの趣味。2人で力をあわせてオープンにこぎつけた。
全粒粉に着目したのは、娘が離乳食で便秘になったから。アメリカの子育て情報誌では離乳食に全粒粉が一般的で、試したところ改善された。
調理に使用している全粒粉は、農家と直接契約で仕入れている無農薬など4種類。野菜は近所で新鮮なものを仕入れ「野菜がたくさんとれる食事」を心がける。
「ゆっくり、ゆったりやさしい時間を過ごしてほしい」と夫妻。体にやさしい食事で「にこにこ」、店名に、そんな雰囲気の店づくりを込めた。
自家製モレ風カレー850円、おからハンバーグ880円ほか。10時〜21時(LO20時半)、月曜定休。津田沼6‐7‐5。TEL(455)2525。
パステル歯科医院
「歯医者苦手」なくし「お気に入りの場」に
JR西船橋駅北口から徒歩5分。国道14号沿いのビルの4階の「パステル歯科医院」は、おおよそ「歯医者さんらしくない」ので有名だ。
今月30日と31日には、院内で「ハロウィンイベント」を開き、スタッフ全員が仮装するというユニークさ。現在、壁一面を彩っているのは、カボチャやコウモリ型の飾り。来院者も、「歯医者のイメージが変わった」(30代男性)と楽しんでいる。
院内に流れるのはジャズやR&B。選曲は権藤暁曠院長(45)だ。同院の雰囲気には、「クラシックよりジャズが合う」という。
スタッフにも、「フラワーコーディネーター」や「画家」がいて、「歯医者さんらしくない歯医者さん」を演出する。
「歯医者さんらしくない歯科」にしたのにはワケがある。権藤院長自身が幼いころ「歯医者が苦手だった」ためだ。
初めは、精神科医を目指していた権藤院長だが、その後、歯学を専攻。その間、事故による大ケガ、父親との死別を経験。「精神的ケアで患者をサポートしたい」という志を強くした。
来院患者の三分の一は、予防やメンテナンス目的。定期健診ではアロマオイルでの歯茎マッサージが好評で、初診患者の希望をじっくりと聞くカウンセリングも欠かさない。
さらに、「本人に治療の説明を求められれば、納得するまで話し合う」。目指すのは、「お気に入りの美容院のような場所」だという。
9時半〜13時、14時半〜20時(火・土は18時まで)。木・日・祝定休。西船4‐14‐12木村建設工業ビル4階。TEL(495)4333。
石臼で挽く昔ながらの味わい
「蕎麦三久」
秋風が心地よくなると新ソバが待ち遠しい。先日、「旨い蕎麦屋がある」との知人の情報。早速、行ってみた。
船橋県民の森の十字路から八千代方面へ。船橋市豊富町と八千代市の市境にある「蕎麦三久」。昼時とあってほぼ満席。オープン間もないのだろう、店内にはほのかに木の香りがする。
経営者の秋広重幸さんによると、オープンは昨年11月。宣伝なしで口コミで広まったという。「ソバの奥深さや食の楽しみを伝えたい」と、本紙の取材を快く承諾してくれた。
人気メニューは、1日限定10食の「手挽き田舎蕎麦」。連日、開店からほぼ30分で売り切れる。昔、多くの家庭にあった石臼でソバの実を、3時間、殻付きのまま挽く。
「これぞ原点」、土ゴボウのような独特の香りが漂う。
この日の実は、茨城県猿島郡境町産。何粒か口の中でつぶしてみると「上品な和菓子のような味わい」だ。
その時期に応じて「製粉屋から最も良質なものを取り寄せる」という。
挽いた粉を打つのは、秋広さんの義弟の押田功さん。つなぎを使わない十割は特に難しいが、徐々に「体が覚えてくれる」と日々腕をみがく。
以前、洋食屋を営んでいた秋広さんは、メニュー考案や、当時の技術を生かしたカモ肉などを提供する。「全ての仕事をひとりでやる必要はない」。役割分担が基本だ。
「なんでも直球勝負です」。麺が終わり次第、その日は暖簾をしまうので、来店はお早めに。
11時半〜14時半(14時ラストオーダー)。月曜定休(祝祭日の場合は火曜)。八千代市島田台735‐8。TEL(450)3917。
用途に合わせ雰囲気づくり
イタリアンレストラン
Riku Chika
JR津田沼駅南口から徒歩5分ほど。風になびく三色旗・トリコローレが目印のイタリアンレストラン「Riku Chika」が、今年6月にオープンした。
香りに誘われドアを開けると、店長の細美達也さん(27)と妻のしのぶさん(35)夫婦が出迎えてくれた。白い壁の店内は手作り感が溢れ、上品で落ち着いた雰囲気だ。近隣のOLや母子連れなど女性客が8割という。
「用途に合わせて使い分けられる店を目指したい」と、ランチタイムとディナータイムでは、その雰囲気はがらりと変わる。たとえば、昼はキャリアウーマンとして同僚と、夜は母の顔になって家族連れで訪ねてくれる女性がいる。昼は昼の、夜は夜として「客が求める」雰囲気を大事にしたいと考えている。
パスタの麺は自らの手打ち。指先は荒れたままだが「まだ、駆け出しの証拠」と精進あるのみ。手打ちの味を覚えてくれ「遠くから食べに来てくれる人がいる」ことが励みだ。
店づくりにもこだわる。本場イタリアから買いつけたインテリア小物や、秋津の森登志夫畳店から仕入れた、ほのかに香る「茶殻入り紙ナプキン」など細部にわたり気を配る。
店を始める前、2人は、都内のイタリア料理店で働いていた。もちろん、「自分たちの店を持ちたい」思いを持ち続けていた。
「リスクを背負ってでも好きな道を歩もう」、まもなく2歳になる長女を抱えての船出となったが希望いっぱい。長女の名「りく」を店名にした。
パスタのように「細く長く続けていきたい」。
日・祝定休。11時半〜14時半(ランチ)、17時半〜22時半(ディナー)。谷津1‐13‐10‐103。TEL(475)7414。
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