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火山と遺跡に囲まれた中米の古都
ゆっくり動く時間、適度に楽しむ
グアテマラ共和国  田代晴信さん

学生時代、世界を旅してたどり着いた地は、中米・メキシコの南に位置するグアテマラ。マヤ文明とコーヒー豆の香りがする国だ。田代晴信さん(37)は、遺跡と山に囲まれた古都アンティグアでペンションを始めた。現地で出会った奥さんと子どもたち、家族5人で暮らしながら、多くの旅人にひと時の休息の場を提供する。特に、日本人旅行者にとっては、慣れない国で日本語が通じる、ほっと一息つける貴重な場所だ。今まで5000人以上の日本人を異国で迎えてきた田代さんに見てきたものとは…。

 グアテマラ共和国の首都から45`ほど離れたアンティグアに田代さんのペンションはある。
  アンティグアは、スペイン語で「古い」という意味。それは、1534年から1775年まで、中米・パナマを管轄する「スペイン総督府」が置かれていた成り立ちに由来する。1773年の大地震で被害を受けて、その2年後、現在のグアテマラシティが首都になった。教会やコロニアル建築、石畳など、植民地時代の色が残る市街地と火山がそれを取り囲むようにたたずむ景観から、1979年に世界遺産都市に指定された。
  そんな歴史と自然が混じる街に、田代さんが訪れたのは、スペイン語の勉強のために大学を1年間休学し中南米を旅していたとき。年間を通して気温が「夏の軽井沢のようにさわやか」で、「富士山のような」アグア火山がある街は、居心地がよかった。
  ここでは「ゆっくり、物事が動く」。時間や金銭面のルーズさに目をつぶれば、これ以上の心地よさはない。テレビ番組でも、定刻に始まった番組の終了時間が延びることは日常茶飯事。野球中継を平気で打ち切るような、どこかの国とは違う。「結婚式やパーティーは遅刻するのが、こちらでは礼儀」なのだという。
  「適当に楽しみながら生きる」、そんなことを田代さんはこの国で学んだ。
  実はこの「適当に楽しく」こそ、物不足の現地では大切なことなのだ。スーパーの品揃えは悪いのは日常的。だから生活するには工夫がいる。例えば、にがりを手に入れて手作り豆腐を作ったり、納豆を作ったり、野菜も自家栽培。こうした「努力して欲しいものを手に入れる楽しさ」を身に着けてこそ、ここでの生活が快適になる。
  「物が何でも揃う、時間に正確」は日本の良さ。しかし、グアマテマラに住んで10年。ペンションで多くの日本人を迎え入れてきた。最近、「日本人の常識が、世界の常識とかけ離れている」と感じはじめている。

■プロフィール 70年生まれ。屋敷小に小学4年のとき在籍。92年グアテマラに渡り、98年古都・アンティグアでペンション田代を始める。現地の女性と結婚、2男1女の父親。宿の問合せはTEL050(5532)7768。
■グアテマラ共和国 面積は10万8890平方`b(日本の約3分の1)、人口は約1265万人。首都グアテマラシティ。世界有数のコーヒー豆産出国。時差マイナス15時間。直行便なし。アメリカなど近隣国から経由。
(写真)田代さん(端)と家族。暖かい雰囲気にリピーターのお客さんも少なくない

 



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