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鎌ヶ谷南部 地区社協の
「ディナー便」10年
65歳以上の独り暮らしや調理が困難な高齢者世帯に食事を届ける「給食サービス」。鎌ヶ谷市南部地区社会福祉協議会は、96年から、近隣に先駆け、夕食を届ける「南部ディナー便」事業を行っている。町内に住むボランティアが高齢者宅を訪ね、弁当を手渡しする「地域での支えあい」のかたちが10年になった。
ご近所さんから「食事」の「一声」
地域に届ける 暮らしの安心
弁当を入れた袋を下げ、自転車に乗って、配達ボランティアたちが出発するのは午後4時過ぎ。
「お弁当、届けに来ました。最近どうですか?」
「最近はスーパーに行くのもつらくなって」
「じゃあ、今度一緒に買い物に行きましょう」
この南部地区に定着した夕方の風景だ。
お弁当と一緒に、地域の見守りの目を届ける「南部ディナー便」。配達ボランティアはご近所さん。その安心感が高齢者との会話を弾ませる。
高齢者の様子は、「給食サービス個別記録票」に記入され、適切な支援につなげる。
「地域の人を、地域の人で支える仕組み」として、10年続くディナー便。市のモデル事業として、弁当箱の大きさ、汁物の運び方、集金方法、ボランティアの募集と配置など試行錯誤を重ねながら、現在のシステムを構築してきた。
課題は、ボランティアのコーディネート。配達漏れや、利用者の突然のキャンセルなど、人間の仕事に完璧はない。
南部地区に見習って、一時は市内全地区社協会が給食サービスを試みたが、結局は続かなかった。ボランティアのコーディネートが難しいからだ。しかし、南部地区では、継続することで、配達ボランティアの意識が育ってきた。
「待っている人がいるから、やめられない」と配達9年目の高橋徳子さん(69)。雨風の日は歩きの配達だが、休まない。
「仲間ができる。元気の源」と言うのは久米勤さん(72)。プライベートで一緒に出かけるなど、ボランティア同士のコミュニケーションで生活に変化が出た。
弁当の配達希望はスタート当初の19世帯から、現在43世帯に増えた。それにつれ、ボランティアも当初の約30人から、46人に増えた。
「ディナー便」で育ったボランティアの芽は、ゴミ出しや買い物など簡単な用事を、近所の人が世話する「なんぶ孫の手会」事業を生んだ。
「以前、地区社協の仕事はイベント事業がほとんどだった。でも、『ディナー便』事業で、地域のつなぎ役こそ本来の役割と理解するようになった」と同地区社協事務局の小林苗子さん(64)は話す。
(2007/02/24)
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