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総合監督に新進指揮者・奥田氏―
鎌ヶ谷フィルハーモニック
町でつかんだ手ごたえ糧に 「表現」楽しむ多彩な試み
「地元で生の管弦楽に親しんでほしい」と、既成概念に捉われない企画を打ち出す「鎌ヶ谷フィルハーモニック管弦楽団」(清水暉允団長)。今年は、常任指揮者に05年、若手指揮者の登竜門「ニコライ・マルコ指揮者コンクール」で3位に入賞した奥田恵悟さん(30)を迎えた。街の楽団は「第一線の息吹」を、指揮者は「地域」を感じている。
「真面目なサラリーマンの頭からヒマワリがポッと出るように。ポッとね」
指揮の奥田さんが注文を付けたのは、チャイコフスキー「くるみ割り人形・トレパック」のイントロ。一見ジョークにも聞こえるオーバーな説明は、「表現者としてこれくらいはやろうというメッセージ」。妥協のない注文は、プロならではだが、楽団をプロレベルにすることが目的ではない。「アマはアマ。観客には技術よりも熱い思いを伝えたい」(清水団長)。奥田さんが説くのは、その伝え方なのだ。
同楽団は89年に発足。年1回の演奏会では物足りず、「地域でもっと演奏したい」と、04年の鎌ヶ谷駅前のクリスマスコンサートに出演した。
屋外で披露された生の管弦楽に客は拍手喝采。思わぬ反応の良さに団員たちは驚いた。
この成功を機に、オペラの伴奏、琴とのセッションなど、管弦楽団の概念に捉われないアイデアを次々に実践。いずれも成功に終った。
そんなとき、「指揮を振るだけでなく、楽団を総合的に監督出来る指揮者」を目指す奥田さんと出会った。
団員たちの意識の変革と新しい指揮者というタイミング。楽団の雰囲気は一変、「野球の監督と同じように指揮者が重要。演奏能力も上がった」と楽団の最年長・荒井眞さん(73)は、近年の変化をそう説明する。佐々木守さん(39)は「以前は勉強、今は演奏を楽しんでいる」と明るい。なるほど、練習場が、しばしば笑いに包まれるのは、団員たちが、音楽を表現することの楽しさを感じている何よりの証拠だ。
(2006/9/9)
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