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現状知って町会集結 生活自ら防衛の意識
豊富地区町会挙げて 不法投棄パトロール



豊富地区は「県民の森」に代表されるように、船橋市内で最も緑豊かな地域。ところが、その樹林や緑地の闇に紛れて、ゴミの不法投棄が後を絶たない。昨年4月から今年1月までの発見件数は105ヵ所で市内最多。「そんな不名誉は返上したい」と住民たちが立ち上がった。豊富地区連合町会では、今年3月、市内では例がない、住民が主体となっての夜間監視パトロールを実施。それをきっかけに地区内では、ゴミに関する住民の意識にも変化が見られるようになった。
「自分の生まれ育った地域が不法投棄多発地帯とは…」。3年前、豊富地区自治会連合会長になった矢橋啓郎さん(62)は初めて知った現実にショックを隠せなかった。
  同地区の面積は1603fで市内23コミュニティ最大。人口密度は市全体68%に対して11%。まさに「闇にまみれて」の投棄には好都合の環境なのだ。戦前から続く農家と新興住宅地が混在し、16ある町会の抱える事情はまちまち。それでも月例の連合町会会議で必ず議題に上がるのが「ゴミ」問題だ。
  99年から、地区内の児童生徒も参加する地域ぐるみのゴミ拾いを開始、昨年の参加者は650人を超えた。
  ところが「夜間の不法投棄」となると、住民サイドで解決する話ではない。同地区の東側は、国道16号線沿いに位置し、埼玉や茨城など他県からの不法投棄もしばしば。投棄物も薬品や建築廃材など明らかに「プロ」の仕業だ。1ヵ所で2d車7台分のゴミが出たこともあった。
  「私たちでやれることはないだろうか」。矢橋会長は、連合町会に夜間パトロールを提案した。過去に報告を受けた投棄場所を印した地図を町会長らに見せると、「こんなにも…」、一様に驚きの表情を見せた。投棄場所を示した赤いシールは105ヵ所に及んでいた。パトロール実施は満場一致で決まった。
  3月25日20時、北部公民館に各町会長らが集合した。欠席者はゼロだった。北部公民館と船橋市クリーン推進課の職員は臨時事務局を務めた。
  「不法投棄はプロ業者もいるので危険。現場に出くわしても捕まえようとせず通報を」と確認し出発した。
  パトロールは地区を3つに分け、各グループ4〜5人で構成し、車に乗り込んだ。投棄場所は人気(ひとけ)のない暗がり。車窓に額をくっつけるようにして目を凝らす。パトロールの1時間、みな無言だった。
  結果は「ゴミは予想より少なかった」。だが、自分の町会でも知らない場所を発見したり、他の町会の様子を知るなど副産物もあった。
  「次はいつ」パトロールから戻ってきた町会長らが間髪入れず、次回に向けた相談をしていたのも想定外だった。
  「互いに顔を知っている関係づくりが大事。『捨てさせない』地域にしていければ」と矢橋会長。今年から、日中のゴミ拾いに地区内の企業を巻き込んだ。公民館も「館だより」に地区情報を掲載するようになった。「顔見知り」の輪でゴミから地域を守る試みが今始まった。
(2006/6/10

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