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斜面緑地を守る会
シンボル「エノキ」は残った― 
緑ある住環境維持に結束


樹齢150年の大木を守れ―。古作4と行田3の境、擁壁工事地内にあったエノキの大木が、このほど、残されることになった。地元自治会による「斜面緑地を守る会」(荒井昇代表)の働きかけが実ったもの。「緑豊かな居住環境を」。地主さんは住民の思いにこたえ、1本の木と周辺の土地14平方bを保全することにした。
  「樹形が素晴らしく、夕暮れ時の陰影は格別」。荒井さんの妻・勝枝さん(54)は、地域のシンボルとしてそびえるエノキについて誇らしげに話す。
  西船台自治会は発足20年。地区の境にある斜面緑地が、強風や騒音を遮り、快適な住環境を創出する。自治会の創設時を知る後藤實成さん(69)は「ケヤキ、クヌギ、コナラなど多様な樹木に魅せられた」のが、ここに移った動機の1つという。
  「守る会」は、自治会内の組織。斜面林の「行田緑地」の清掃など維持管理が日常の活動。これまでには、ソメイヨシノや赤い新芽が出る低木のレッドロビンなどを植栽し、地域全体の庭園に見立て緑地を育んできた。
  会が発足したのは97年。地区内での自然に影響を及ぼす開発行為に疑問をもったことからだ。
  JR船橋法典駅に近く、ターミナル・西船橋駅の利用も可能な場所に位置する。宅地造成は今も続き、斜面緑地の景観維持に努めながら、調整池の埋め戻しに反対するなど、減少傾向にある地域の自然の保全を訴えてきた。「環境維持と開発の共存には、住民一体の見守り体制が必要」というのが同会の方針だ。
  樹齢を重ねた巨木を残すことも環境維持。同会は伐採寸前だったエノキの保全を働きかけた。持ち主も理解を示し、市に木を寄贈、周辺14平方bの土地を無償で貸すことを決めた。
  この後、エノキには、住民の思いなどを記した看板が取り付けられる。これは、樹木の所有権を土地から独立して公示するための手段で、不動産用語で「明認方法」。通常、土地とその上に生育するものは一体だが、立て札などで示せば独立した所有権が認められる。
  落ち葉の清掃など、管理は「守る会」が担う。
  「残った木は1本。ただ、その1本に大きな価値がある」と荒井代表(58)。高さ20bのエノキの大木は、地域景観のシンボル、そして住民の思いの象徴としてそびえ立つ。
(2006/4/22

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