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タッチケアで心もほぐす 高齢者と向き合い10年
県内で唯一 ビューティーケア習志野

 施設などに入所するお年寄りに、マッサージや化粧を施す「ビューティーケア」というボランティア活動がある。触れ合うことで、体だけでなく心もほぐそうという。60年、イギリス赤十字社が始め、日本には76年に紹介された。都市を中心に全国に広まりつつある。「ビューティーケア習志野」は県内で唯一、そのボランティア団体だ。

 「きょうは暖かいですね」。お年寄りの顔を見て、ゆっくり語りかける。それに対して、かすかにうなづいた。
  「痛いところはありませんか?」
  手を取り、温めたタオルで包む。次第にその表情が和らいできた。
  長い間、一生懸命生きてきた人が第一線から退き、年齢により体の機能が衰えていく。次第に気持ちの張りも失われ、介護を受けることで、自尊心まで奪われるように感じてしまうこともしばしばという。
  そんなお年寄りのケアとして一般的なのが、介助や傾聴、朗読などのボランティア。
  ビューティーケアは、触れあってぬくもりを伝えることで、固まりがちな体と心をほぐす。
  マッサージの箇所は肘から先と顔。エステティックとは違い、タッチケアとメンタルケアが目的だ。
  「ビューティーケア習志野」は、この秋で結成10年を迎える。40〜70代の23人で分担し、習志野市内の3つの高齢者施設を、それぞれ月一回訪れている。毎月決まった時間に訪問するため、楽しみに待っているお年寄りは多い。一対一で約30分、語りかけながらゆっくりマッサージする。
  クリームを腕に優しく伸ばすと、お年寄りの肌が潤ってくる。相手の呼吸に合わせ、ゆったりと手の温かさを伝える。昔話や好きな食べ物のことで話が盛り上がることもある。
  温かいタオルでクリームを拭き取ると、お年寄りは思わず「気持ちいい」とため息。そして次はマニキュアだ。
  「80代以上の方は、化粧やマニキュアとは遠い生活をしてきた。最初は遠慮するが、薄い色から勧めると、次第に希望の色を口にするようになる」と田久保美津子代表。きれいになった手を施設職員からほめられると、お年寄りの顔に笑みが浮かんだ。
  「ありがとう」の言葉に、自分たちの気持ちが温かくなる。田久保さんはこの活動を「気持ちが豊かになる自分のためのボランティア」と言う。
  真剣に向き合う覚悟が必要なので、入会希望者には必ず見学をしてもらう。その後3日間のマッサージ講習を受け、施設でのマッサージに出られるようになる。また、緊張感を持って臨むため全員で毎月勉強会を開いている。
「高齢者の生きる意欲のために、施設の協力とメンバーの力が不可欠」という田久保さん。「手が軽くなったわ」と喜ぶお年寄りの体に触れながら「よかったね。また来月ね」と、ゆっくり語りかけていた。




 

 

 

 

 

 

 

 

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