人それぞれの生き方認め合おう「楽しいとき」共有するイベント
プロ集団「Vind―風」
橋を拠点とし、演劇、音楽、福祉、文学、システム工学など各々の専門分野を活かしながら、障害の有無を越えて、人間のあり方を考えていこうというプロ集団「Vind―風」。7年11月、北本町1在住で、元劇団民藝の女優片桐千里さん(51)らが中心となり立ち上げた。その集団が、子どもも大人も楽しめるイベント「蓄音機と近代の作家たち」をプロデュース。音楽と朗読でひいじいちゃんやひいばあちゃんが生きていた時代にタイムスリップしようという。21日、きららホールで開催する。
ベントのタイトルは、「むかしのおとってどんなおと?ず〜っとまえのおんがく おはなし」。
「むかしのおと」とは蓄音機。ゼンマイの動力でSPレコードを回転させ、針を落とす、あの装置。CD主流の現代では隔世の感あるオーディオだが、時代の風を伝える効果的な装置として今回、舞台の脇で確たる存在を示す。
その蓄音機(英・グラモフォン社製)から流れる「ず〜っとまえのおんがく」は、ショパンやモーツァルト。
そして、その時代に生きた芥川龍之介、夏目漱石、宮沢賢治、中原中也らが遺した「ず〜っとまえのおはなし」が、蓄音機の音を背景に朗読される。
夏休みでもあり、「人と死」「新体詩」「オツベルと象」「サーカス」といった子どもから大人まで楽しめる作品をラインナップした。
「言葉は説明するためだけのものではない」、だから、「理屈ではなく感覚を研ぎすまして」と、片桐さんは、朗読に作品の時代を醸し出す演出で聴衆の感性に訴える。
「Vind―風」はシステム工学、音楽、福祉、文学それぞれの分野の人たちが集い、人間のあり方を考えていこうという集団。片桐さんが東京成徳大准教授で近代文学と西洋音楽の関係を研究している庄司達也さん(49)と出会ったことで発足。これまで市内のカフェで「蓄音機と近代の作家たち」と題するイベントを開催してきた。
一方で、耳に障害のある伯母と多くの時間を共にした片桐さん。「障害のある人と暮らすことは時間を共有すること」と気づいた時「それこそ本来の福祉」だと確信した。
そして「Vind―風」発足で、女優という自らを生かした表現の場を得た。人それぞれの生き方を認め合い「気負うことなく」楽しいときを共有しよう、と。
「頑なな心は手放し、体の重みに身を任せ、心を開いていけばいい」
夏休みの1日、親子でしばし、ノスタルジックな時間を共有してみませんか。
サークル的な集まりで喜び悲しみ分かち合い
習志野市内で定期的に開催されている「介護者のつどい」は、趣味を楽しみながら日頃の疲れを解消し、介護者同士が話し合うことで気持ちを分かち合おうという集まり。 「介護者同士が語り合える場を」と、保健師などの協力で94年度に初開催された。その2年後、津田沼周辺住民を中心とした「すずらん8の会」が発足した。介護保険制度が始まって10年が経過、家庭や施設での介護者たちの「集う」意味とは…。精力的に活動を続ける同会を取材した。
盛り付けがうまくいったね」。菊田公民館で先月行われた、「楽しくお料理」の会場から、明るい話し声が聞こえてきた。「すずらん8の会」の年間行事の一つだ。
廊下に漂うダシの香りに誘われるように会場に入ると、小ぎれいな身だしなみの会員たちが、手際よく料理を作っていた。
「こんにちは、よくきてくれました」
出迎えてくれたのは同会世話人の河西京子さんと山本久子さんだ。
河西さんは、視覚障害と左半身マヒだった夫を10年間介護し、現在は、90代の義母と暮らす。一方の山本さんは失語症の80代の夫に寄り添う。夫がデイケアに通う週3日は、外に出て自分の時間を持つ。それが「自分をコントロールする秘訣」なのだという。
この日は、会員で料理人の高橋鑑一さんの指導で、「鯛御飯」「ロールキャベツ」など4品にチャレンジした。
会員は現役の介護者、介護「卒業」者、介護に関心のある人など20人。津田沼・藤崎・鷺沼・鷺沼台地区の住民が中心だが、「外からの参加者も歓迎する」。
隔月で開催される「つどい」は、料理教室のほか、折り紙、絵手紙、体力測定など様々。また、「介護体験談」を語り合う場では、「気疲れしない程度」の時間枠を設定した。「つどい」開催の通知は、文書発送のほか、世話人が一人ひとりに電話で声をかける丁寧さだ。
この日参加した、介護者たちに話を聞いた。
「家にいると、気分が湿っぽくなって長続きしないのよ」
「(自宅や施設に)閉じ込められている感覚は、介護される側だけが感じているわけではない」
予防重視型システムへの転換を図るため施行された介護保険制度も今年で11年目。進む高齢社会に併行し要介護認定者数は増加する。この会員たちの言葉からも、日々の不安や支障を抱える人々への支援が不可欠であることが十分伝わってくる。急がれるのは、地域全体で支えるシステムづくり。そのヒントがここにありはしないか。
「むずかしい話はしない。苦しみや悲しみは分け合えばいい。ときにはうれしかったことも」
定年後を楽しむ「時活村」
頑張らず、楽しんで、はずんで
定年後余暇10万時間を生きる
0歳から80歳までの余暇「10万時間」をどう生きるか―。15年前、船橋市内に、定年後の「おやじの居場所」づくりを目指したボランティア団体「時活村」(杉本晴夫村長)が誕生した。会員は「村民」となって、山登りやゴルフなどそれぞれに「村民活動」で余暇を楽しんでいる。明日23日には、60歳を迎えた人たちが再スタートを踏み出そうという「達人式」を行う。60年もの時間を懸命に生きてきた自分を「人生の達人者」として認め、これからの10万時間へ目を向けようという。
「初めまして。夏見から来ました、タカハシです」
この日から参加する新村民を、先輩村民35人が拍手で迎えた。
「では、今日の買い出し係ですけれど」と進行役がその場をミーティングへ誘導する。新村民もその輪に交じった。
「名前と住所、それ以外のことは聞かない。それがルール」と、事務局の田村元毅さん。
過去の会社の職種や役職などの経歴は、これから地域住民として生きていくには必要ない。過去のこだわりを捨て自分の居場所を見つけ出す、地域社会へのソフトランディングを支えることがこの「時活村」の役割だ。
彼らが定義した60歳から80歳までの余暇時間10万時間とは、生活時間8時間を差し引いた1日14時間×20年。村のモットーは、「ガンバラナイ、楽しんで、はずんで生きる」。60年を生きてきた人たちの知恵が導き出したのがそれだ。
この日の集まりの目的は「旬を食べよう」。村の人気行事の一つで、船橋市中央卸売市場で旬の素材を仕入れ、市場内の調理室で調理し食べるというもの。世話人の阿久津茂さんが手本を見せて、それを見よう見真似で自分の食べる分を調理する。レシピなどという形にとらわれない。「大切なことは、今を楽しむこと」とベテラン村民の竹中茂さんの料理する手は忙しい。フキの筋取り、シュウマイの成形など、みんなで同じ作業をしながらの会話に、新人タカハシさんもすっかり村民になっていた。
村民数は311人。落語鑑賞、散歩の会、自家農園など活動は31種類あり、昨年1年間で329回の行事を開催、延べ8836人が参加した。
定年後の気楽な時間をどう使おうか。「時活村」にはその答えの一つがあった。
地域版・おやじの会 夏見「仲良会」
地域の子ども見守ったおやじたち
今、地区内の「縁の下の力持ち」に 閑静な住宅街の夏見4丁目を中心とする夏見中央連合自治会には、自治会活動を支えるボランティアグループ「仲良会」(牧野盛記会長)がある。30年前、当時は30代や40代だった小学生の子どもを持つ父親たちが結成した、地域版「おやじの会」だ。メンバーは、東京勤めのサラリーマンや地元での自営業、子どもの頃から夏見で暮らす土地っ子や他県からの移住者など、その経歴は様々。しかし、地域の子どもたちをキーワードにつながりを育んできた。平均年齢60歳を超えた今も、地域の「縁の下の力持ち」として欠かせない存在となっている。
4月11日、夏見公民館。空色のジャンパーを着て、誘導棒を手に、きびきびと車の駐車案内をしている人たちがいた。
同館で、夏見地区連合会主催の防災講座が開かれる日。地区全体は広範囲で1万世帯以上もあり、車での来場が予想され、駐車の誘導係が必要とされた。
誘導したのが「仲良会」だ。
30年前、町には、30代〜40代の小学生の子どもがいる世帯が多くを占めていた。
クラブ活動や習いごとはあったが、今ほど盛んではなかった。
自ずと、休日は、お父さんの出番となった。草野球で遊んだ世代のお父さんたちが、子どもたちと関わったのがソフトボールとドッヂボール。地区内にまだ残っていた空き地に、休日になると、100人ほどの子どもたちが集まってきた。
子どもたちにスポーツを教えて一汗流した後、お父さんたちはビールを酌み交わした。平日は顔を合わせることもない人たちの集まりだが、会話は弾んだ。
こうして30年前、「仲良会」が27人で発足した。スポーツ指導だけでなく、子ども会、自治会、PTAの手伝いなど地域を支えることを目的とした。それ以後は、敬老会、まつりなどにも協力し地域で信頼される集まりとなった。
「まるっきり関係のない間柄だったが、お互い信頼し合えるようになったことは、今になって財産だ」と発足当時からメンバーの三吉政道さん(68)。東京勤めのサラリーマンにとって、定年後の地域デビューは勇気が必要だが、仲良会メンバーの場合はすでに地域に居場所があった。
今の課題は、若いパパたちの参加。地域にマンションは増え若い世代が転入してきてはいるが会員は増えない。
「何事も楽しみながら」がモットー。そんな会への、若い世代の参加を待っている。
吹上苑町会おたすけ隊
それは、町会の危機から始まった
「理念より行動」で顔の見える関係
「困ったときは頼ってください」。本大久保の「吹上苑町会おたすけ隊」の草の根活動が地域に根付いてきた。「きめ細かい弱者救済」を理念に、高齢者や子育て中の母親など手助けが必要な人から依頼があればどんな小さい要望にも応える。日常の中で、「業者に頼むほどではない」が家屋の修繕や蛍光灯の取替えなど「誰かの力を借りたい」トラブルはしばしば。そんな依頼者たちに真摯に向き合うおたすけ隊の活動を取材した。
「来てくれてありがとう。助かった」
町内の老夫婦宅に「おたすけ隊」の姿があった。 習志野市が先月、高齢者世帯などに配布した「救急医療情報キット」を届けるためだ。
キットは、あらかじめ持病などを記入し自宅に保管することで、緊急時の情報伝達を円滑に行おうという取り組み。こうした、「かゆいところに手が届く」サポートするのが「おたすけ隊」だ。
「市の施策を地域住民の生活の中で生かせるよう補完することが大切」と藤下進会長(69)。地域住民からの依頼は、庭木の手入れや重量物の運搬、買い物など多岐にわたる。
隊員は29人で、その半数以上が65歳を超える。経験豊かな保健師など各分野の熟練者が顔をそろえる。
「高齢者が高齢者を支える老老介護」の現場だが、隊員たちの表情は生き生きしている。
「現役時代の感覚がよみがえる」「ゴルフとは違った汗がかける」など、「地域貢献」という新たな生きがいを見つけた。
19年前、町内は、地盤沈下で下水道管が損傷した。住民たちは、市とかけあい復旧にこぎつけた。そのことがきっかけとなって、地域と関わりが深くなった住民たちの活動は、08年4月に「おたすけ隊」に発展。08年度から2年間、習志野市市民参加型補助金対象団体となった。
実費以外は無償支援が原則だが、「受益者負担の観点から無料では頼みづらいのでは」と、1枚500円のクーポン券の発行を試してみた。しかし、「活動になじまなかった」こともあり、見直しを検討している。
「理念より行動」。花見、イモ掘り、ウオーキングなど、隊では季節の催しも盛んになってきた。
「明日は我が身だから他人事ではない」。顔の見える関係がこの地域で定着し始めた。
4月17日実績報告
4月17日、市民参加型補助金説明会で実績報告を行う。13時半、サンロード津田沼。無料。пi453)9337習志野市市民協働推進課。
音楽グループ
「鎌ケ谷ニューボーイズ」
歌声喫茶で「あの頃」共有
歌を介し地域のつながり
「地元で手軽に楽しめる音楽を」―。鎌ケ谷市を拠点に活動する「鎌ケ谷ニューボーイズ」は今年で設立14年目。その場に集まった人々が一緒に童謡、唱歌などを歌う「チャリティーうたごえ喫茶」を毎月1回、同市中央公民館で開催している。 50〜70年代に流行した歌声喫茶だが、現在でも昭和を懐かしむ中高年を中心にその人気は根強い。同会主催の「うたごえ喫茶」には市内外から多くの人々が足を運ぶ。用意された60の座席は毎回満席、整理券を配布するほどの人気ぶりだ。
「カチューシャ」「桜貝の歌」「千の風になって」「愛の讃歌」…。150曲ある歌集の中から季節感などを考慮し、その日歌う曲を選ぶ。「今日はこの歌が歌いたい」という参加者のリクエストにも応える。
2時間で16曲ほど。鎌ケ谷ニューボーイズのピアノやバイオリンの伴奏に参加者は生き生きとした表情で歌声を奏でる。
「みな、歌声喫茶を知る世代。若い頃を思い出し、気持ちが若返る」と同会代表の石関博康さん(67)。各曲の歌い始めには同会の司会者がその歌詞を解説し、参加者の想像力をかきたてる。
同会の会員は現在12人。設立当初は飲食店や公共施設などで演奏を披露するジャズバンドだった。「歌声喫茶再ブーム」のニュースを目にし、「近場で気軽に楽しめる場を」と01年から「チャリティーうたごえ喫茶」を始めた。
参加者の半数は新顔。大半は女性だが、最近では定年を迎えた男性の姿も増えてきた。
「1人でも気軽に参加できる雰囲気が良い」。「複数の歌声喫茶に通っているが、ここが一番歌いやすい」など、参加者の評判は上々だ。
また、近隣で活動する様々なジャンルのプロ、セミプロの演奏家が登場し、「ハイクオリティの演奏を堪能」できることもここの魅力の一つ。毎回ゲストを招くことは「地域の新たなアーティストを発掘することにもつながる」。
90回を数える「うたごえ喫茶」。長年続けてきた活動が「市民に定着してきた」と手応えを感じている。「共に歌い、ふれあうことで横のつながりも生まれる」と石関さん。
音楽が人の輪をつくり、地域に新しい文化が根付いていく。
次回は4月11日、14時。定員60人。500円(飲み物付き)。収益金は鎌ヶ谷市社会福祉協議会に寄付される。
舞台裏方ボランティア
「ふたわ影丸」
アイデア出し集客率好調
地域の文化「影」で支える
二和公民館の劇場公演は、市民による舞台裏方ボランティア「ふたわ影丸」が支えている。07年、「地域の文化を一緒に育てませんか」という公民館の呼びかけで集まった。音響や照明の知識はほぼゼロの集まりだったが、毎月の勉強会でスキルアップし、 企画立案から当日の運営まで、職員と連携し公演の一部始終を手がけている。今では、行革による公民館職員減少傾向の中、「彼らなくして公演は成立しない」貴重な戦力となっている。
二和公民館の講堂は、349人収容。可動式いすで客席が設置でき、舞台、楽屋、音響、照明を備える市内でも恵まれた施設。「二和劇場」という名で、様々なアーティストを招きコンサートを開いてきた。その舞台作りを地域住民とともに行なうことで「地域に文化を広げよう」と、07年、裏方ボランティア「ふたわ影丸」が立ち上がった。
きっかけは、同年に同館が主催した「裏方講座」。地元の若手、演劇部で活動する高校生や大学生などが参加し、音響や照明などの機材の使い方を学んだ。その知識を生かそうと、受講メンバー約30人が、ボランティアとして同劇場での公演を手伝うようになった。
これまで手がけた公演は3年間で15回。デビュー直後の若手アーティストによる「おひろめらいぶ」に出演した、ピアニストの高知尾純さんや豊田裕子さんなどその後に人気がさらに出たアーティストもいる。
メンバーは月1回、定例の会議を開いている。「良さそうな新人を見つけた」、「まだ、手がけていないジャンルはどこ?」など活発に意見が飛び交う。テーマが決ると、出演者への交渉、当日の役割分担、タイムテーブル作成など段取りよく事を運んでいく。
音楽イメージに合わせた映像を会場に写し出したり、ポスターを貼るなど、演出に一工夫を凝らす余裕も出てきた。
メンバーの長島広道さん(71)は、「影丸」として参加するようになってから、「時間が許す限りライブへ行って情報収集している」と意欲的。
同公民館主催公演の今年度の集客率は9割超。普通は7〜8割といわれる中、高い数値だ。
さらに質の高い公演を目指し、昨年からスポンサー制度も取り入れた。地元企業に協賛金を提供してもらい、当日招待席を用意する。
「地域で文化を支える」、その裏方として「影丸」は動き出している。
◇ ◇ ◇
新たな仲間を募集中。пi447)3200二和公民館。
安心安全な街づくりへ 隣の顔が見える関係に
本町5丁目東部自治会の活性化策
地域のつながりを取り戻そう―。JR船橋駅北東に徒歩3分という、好立地をエリアとする本町5丁目東部自治会(堀江保会長)は近年、マンションが建ち人口は増える反面、自治会員は減少傾向にある。ご近所さんの顔も知らない状況となり、ゴミステーションの管理や街灯の維持といった日常的な活動はおろか、犯罪や災害といった「もしものとき」の対応が円滑に進むか不安を抱える。そこで、昨年から同自治会役員たちが組織改革に乗り出した。まずはコミュニケーションからと、3月28日には、自治会独自の初の「ふれあい祭り」を開催する。地域のつながりを取り戻し、「安心・安全な」街づくりへの一歩を踏み出した。
本町5丁目東部自治会は、登録705世帯。昭和45年、町名変更でJR線路を境に4丁目と分かれ設立した。ところが、神社や消防団、自治会館などといった地区の拠点となるような場所がなく、コミュニティとしての形は不完全なのだ。この町で暮らして40年という堀江保会長の言葉を借りると「根無し草のような自治会」となる。それでも、設立当初は、子どもの数が多いこともあって行事は活発、側道の草取りやU字溝の掃除といった必要に迫られての「共同作業」など、人がつながる場はいくつかあった。
ところが、子の成長と少子化、道路や下水など基盤整備が進むと、自ずと地区の人々が顔を合わす機会は減った。マンションは増えたが、個人情報保護条例の下では、氏名の特定も難しく、無関心は加速。こうした時代の流れが、「隣組」を大切にする自治会活動のネックにもなっている。
今年6月の自治会定例会で、フリートークを試みた。
「やってみたいことを挙げてみてください」
出席したメンバーからは「予想以上に」活発な意見が出た。意見を分類してみると、次の8つのテーマに絞ることができた。防犯、広報、交流、レクリエーション、ゴミステマナー、清掃、アンケート(ニーズ調査)、組・班の再編成。
すると、テーマごとにチームを組み活動しようということになった。その結果、それぞれがチーム会議を開くようになり、役員会に次々と報告されるようになった。
この半年で、新たな活動が10を超えた。年末だけだった防犯パトロールが月2回の定例。公園清掃の参加が倍に増え周辺道路の清掃に広がった。回覧板の班分け再編。防犯教室やAED講習会、認知症サポーター講座など研修会開催。そして、4月には、自治会初の花見を計画。親睦旅行は、若い人が参加できるように平日から土日に変更する予定だ。
「自分たちでつくりあげている充実感がある」と、南雲進事務局長。
3月28日、北本町公園で開催する「ふれあい祭り」は、当初フリーマーケットだけの予定だったが、パンや豚汁、おむすびの販売やヨーヨー釣りといったアトラクションなど、次々とアイデアが出てきた。
「住んでいて良かったと体感できる地域にしたいですね」。自治会活動がその役に立てればと堀江さんたちは考えている。
◇ ◇ ◇
「ふれあい祭り」は3月28日11時〜15時、本町北公園。フリーマーケット出品者を募集中(出店無料、同自治会のみ)。
地元の歴史を再発見ウオーキングツアー
ディスカバー船橋実行委
船橋の街の魅力を楽しくガイドします―。JR船橋駅周辺をエリアに2時間半程度のウオーキングツアーを行っているグループがある。その名は「ディスカバー船橋実行委員会」。設立は93年で16年が経過する長い活動だが、この間、コースを吟味しながら試行錯誤。ここ5年ほどでようやく活動は本格化した。ほぼ毎月ウオーキングツアーを行っているほか、船橋市内のグループや幕張や佐倉など遠方の団体も案内している。そして、ツアー参加者の定着と共に、次のガイド役も育ってきた。
「この並びに、太宰治の家がありました。石碑はあちらです」
そんなガイドに促され住宅街の小道を進むと、戸建住宅の壁際に記念碑と解説板が立っていた。
「こんなところにあるなんて…」。参加者たちの声が弾んだ。
「当時太宰は…」とガイドの解説が始まると、メモを取り始めた。
11月28日、約15人が参加した「太宰治青桐忌ウオーク」での様子。JR船橋駅から約2時間半、1年半ほど船橋に住んでいたとされる太宰の足跡をたどった。
「船橋に住んでいても、船橋のことを知らない人は少なくない」と、同会の代表・海老原義憲さん。船橋市宮本出身で、船橋市観光協会常務理事。船橋の魅力を市民に伝えようと、93年に仲間と会を発足させた。当初は、バスで食品工業団地をめぐるツアーなどを行ってみた。次第に、健康志向の社会ニーズやリスクをかけずに地元の歴史を掘り起こせるウオーキングツアーへ方向を転換。知識の習得、安全な道選び、トイレ休憩の確保など、コースづくりに数年かけ、5年ほど前から「旧船橋町」をめぐるツアーを毎月行うようになった。
ラインナップは、限りなく東経140度上の裏道を歩く「奥の細道ウオーク」や、1868年の市川・船橋戦争の爪跡をたどる「戊辰戦争地ウオーク」など12本。人気は「B級グルメ」で、本町の商店で鰹節削りを体験し、古くからの豆腐屋に寄り、持ち込みOKの町の食堂で味わうといった、地元色あふれる内容だ。
そんなツアーの常連の中からガイド役希望者が出てきた。今年2月からは5人が新メンバーとなり、毎回のツアー後にそれぞれ調べてきた資料を持ち寄って、勉強会を開いている。
ガイドの卵の1人、法典在住の内田仁志雄さんは、来年3月に定年退職を控えていることから、「地元を知りたい」と参加。もともと江戸文化好きで都内ツアーに参加していたが、今では、「海老川にかかる橋の銅像に隠された秘密」「なぜ船橋には三代川という氏が多いのか」など、いくつものエピソードでツアー参加者を楽しませている。
「参加者の顔がほころぶようなガイドをするのが、この会のモットー」と海老原さん。文献だけではない自分で調べたエピソードを交えた、十人十色のガイドが、この会の魅力だ。
問い合わせTEL(425)4173事務局。
公的制度の「はざま」埋める主婦らのボランティア組織
エイジレス・ライフ受賞
高根台たすけあいの会
ちょっとした買い物など家事援助をするボランティアの会は今では珍しくなくなったが、17年前に、そのような互助組織を発足させた人たちがいる。高根台団地の主婦たちが中心になって組織した「高根台たすけあいの会」だ。ニーズに的確に応えたその仕組みは地域に受け入れられ、市や県、他地域から視察が訪れた。そして今年、内閣府が生き生きとした高齢者や高齢者グループに対して表彰する、「エイジレス・ライフ実践者及び社会参加活動事例」を受賞した。
「高根台たすけあいの会」は、高齢者や障害者、ひとり親家庭などを対象に、地域ボランティアが家事援助を行なう地域の互助組織。家の掃除や買い物、夕食の準備など、公的サービスでは手が届かない「はざまを埋める」役割を果たしている。
会に登録するボランティアの協力会員は、現在67人。会設立時、メンバーは小中学生の子どもを持つ40代の主婦だった。そのほとんどが、今、60代。気がつけば、「エイジレス・ライフ」受賞の対象となる年齢に達していた。
設立のきっかけは、89年、公民館が主催する学習会「婦人学級」で地域の高齢者の生活状況を考えたことだった。高齢化が深刻化していく空気を敏感に感じ取った女性たちが、「助け合いの仕組みを作ろう」と集結し、ボランティア組織づくりが始まった。
しかし簡単には進まない。前例がないこと、「組織など全く知らない専業主婦たちばかり」だったことで、全てが手探り。家事や育児の合い間をぬって団地内のファミリーレストランに集い、「何ができるか」「何が必要か」を毎日話し合った。各家庭の不用品を持ち寄ってバザーを開き、運営資金を捻出。地区社協や自治会の協力で、電話を引いた。
開設初日から依頼の電話が鳴った。年間1200件の依頼を99人の会員で支えた。00年からの介護保険制度スタートで、同会への依頼も減少したが、それでも年500件以上に上っている。制度では適用外の「はざま」の部分だ。
依頼のほかにも、家に引きこもりがちな高齢者を対象とした「食事会」や「茶話会」の開催、社協と共同で「地域のティールーム・きんもくせい」を運営し高齢者が気軽に集う場をつくっている。
現在、高根台地域の高齢者率は30%超。「止めるに止められなくなった。自分が健康な間は続けていく」と浅野玲子代表。会の需要は、高齢者率上昇とともに年々高まっている。
防犯兼ねウオーキング
無理なく街へまなざし
習志野イースタンスポーツクラブ 「自分たちの街を自分たちの手で守ろう!」と、自主的な活動をする防犯パトロール隊。習志野市では04年から登録制度を設けており、現在105団体が市民の目で地域を見守っている。パトロール隊に登録した団体のほとんどが自治会や町会の中、総合型地域スポーツクラブのNPOの名が見える。習志野イースタンスポーツクラブ(梨泰一理事長)で、「いつでも・どこでも・だれでも・いつまでもスポーツに親しむ」がモットーの地域スポーツクラブらしく、防犯パトロールを兼ねてのウオーキングをしている。その活動を聞いてみた。
取材のこの日、朝9時に東習志野の東部体育館に8人が集まった。
コースは茜浜、秋津から谷津をめざす「習志野横断コース」約14`。同クラブの種目代表委員で、日本ウオーキング協会主任指導員でもある神田靖男さん(68)。「正しい姿勢、疲れない歩き方で楽しみましょう」とスタート。参加者が腕に巻いた「防犯」の腕章が、秋の陽に輝いている。
車の往来が激しい道は避け住宅街を抜ける。「天気がよく気持ちいいですね」「花がきれい」などと言葉を交わしながらの散策。「木が茂っている見通しが悪い場所は犯罪が起きやすい」と、皆、注意を払いながら歩く。
中高年の参加が多いため、40分に1回程度の休憩やストレッチを入れながらのウオーキング。かといって、だらだら歩きではなく、テンポよい。
「ウオーキングに参加して7年ほど」という南波栄さん(64)は、「パトロール隊になって、歩きながらの防犯意識が芽生えた」と話す。
習志野イースタンスポーツクラブは、習志野市東部地区の総合型地域スポーツクラブとして、テニス、卓球、ダンスなど14種目を開催している。子どもから高齢者まで、約400人がスポーツを楽しみながら、健康とコミュニケーションづくりを行っている。
ウオーキングの開催は月3回。そのうち2回が市内散策でパトロールを兼ねる。50代から80代、毎回、10人程度が参加している。
04年、市が防犯パトロール隊の募集を始めたと聞き、「市民として協力できれば」と手を挙げた。「表通りだけではなく裏通りも通ることで、犯罪抑止効果があるのではないか」と考えたからだ。
ウオーキングを楽しみながらの防犯。新しい形の安全対策が、定着しつつある。
スロー歩きで見えてくる未知の地元のそこかしこ
「ぶらり鎌ケ谷」
秋風が心地よい季節。遠出もいいが、自分たちの住んでいる街を散策するのもいい。見慣れた景色の中を、意識して少しだけのんびり歩くだけで、新たな発見がある。先月29日、市民グループ「ぶらり鎌ケ谷」のウオーキングに同行させてもらった。普段、車で通り過ぎていた風景の中にこそ、魅力が凝縮されていることに気がついた。
9時半。集合場所の鎌ヶ谷市民体育館前にやってきたのは34人。会員14人が、一般参加者20人をサポートする。
「細かいことは気にせず、ぶらりと歩きましょう」と上開地真理男代表の声でスタート。集合時の小雨模様だった空から、雨雲が消え始めた。
この日は、「鎌ケ谷のルーツを探る―古代遺跡と幻のひょうたん池を訪ねる」と題して、東林跡遺跡→ひょうたん池跡→史跡野馬土手→山屋食品見学といった、市北部の史跡と工場を巡る。会員の吉村てるみさんが案内役となった。
スタートから最初の目的地までは、住宅街を通って徒歩10分ほど。庭付きの戸建が並ぶ通りで、「あのカキ、美味そう」「これは何の花かしら」など早くも会話が弾む。
第五中内にある東林跡遺跡について、吉村さんは「約2万3000年前のもので、とても貴重」と説明。同市では、開発が始まった80年代初頭から旧石器時代遺跡の存在が知られるようになり、同遺跡からは槍の先、皮はぎ、たたき石など旧石器約120点が発掘された。参加者の高山光子さんは「越して40年間になるがこんな古い遺跡があるとは…」と地元を再発見した様子。参加の動機は「ウオーキング」、「街を知りたい」、「地域の仲間を作りたい」などそれぞれだ。
一行は南下し、「ひょうたん」という一風変わった地名が残る地区を散策。江戸時代、同市を含む周辺地域は「小金牧」と呼ばれる軍馬の牧場で、多くの馬が駆け回り、「この付近にあった水場がひょうたん型だったことに由来する」という。
最後は、約半世紀もの間、この地でトマト加工品製造などを続ける山屋食品の工場を見学し帰路に着いた。5時間ほどかけ、約6`を歩いた。
「ぶらり鎌ケ谷」は、鎌ケ谷市の「団塊の世代活動支援事業」から発展したグループ。ルート設定は会員たちが行う。
「コース作りやイベントでの出会いは、自分の財産」と上開地代表。
会員にはアイディアマンが多く、最後尾を示す旗製作や絵地図の研究、完歩証明の発行に至るまで安全で楽しい散策の下準備に怠りはない。
「市内を全て周るのが目標」という。
次回の開催は、年明けを予定している。
「学校は地域の核」
3世代集い、はつらつ舞台
「みな友ライブ」
毎年10月、習志野六中で開かれる「みな友ライブ」。世代間交流や街づくりにと、屋敷公民館を拠点に活動する地域住民「みな友会」(中村吉彦会長)が中心となった地区の市民文化祭。屋敷小児童、習志野六中生徒、そして地域住民の4歳から80代の出演者がステージに上がり、歌やダンスを披露する。年1回のイベントとして地域に定着した文化祭への思いや活動を取材した。
演目トップを飾るのは、小学生から高校生までの約20人によるヒップホップダンスチーム「G‐SOUL」。六中卒業生や在校生、いずれは六中生になる子どもたちなど混成チームの「アットホームな雰囲気」がこのイベントを象徴する。
同校でのライブ開催のきっかけとなったのは、約10年前の文化祭廃止。学校行事の見直しのため、やむにやまれぬ措置だった。
「文化祭に代わるものを地域で」と当時の校長が依頼したのは「みな友会」だった。
六中について「地域の学校」として特別の思いを持つ同会は、依頼を快く引き受けた。
こんな歴史背景がある。同地区の子どもたちは、1954年の習志野市制施行前、小学生も中学生も、千葉市幕張まで1時間以上の道のりを通学した。同市誕生後も、500人に満たない人口から地区内に学校はなく、他地区の学校に通わざるをえなかった。
団地や企業の社員寮建設などで、ようやく人口が増加。地区内に最初の学校・屋敷小が開校したのが72年、そしてその6年後に六中が開校した。
当時を知る住民は、「おらが学校」、そう呼ぶ。地域で待ち望んだ学校だけに、愛着はひとしおなのだ。
「地域が学校を支える」、そうした住民の共通認識は、02年からの六中での文化祭開催を抵抗なく受け入れた。
そして当初は、生徒たちのバンド活動発表などが中心だった舞台も、徐々に幅広い世代の活動発表の場へと発展してきた。昨年は766人が参加。「今後も、多世代が楽しめる場を提供していきたい」と同会は話す。
「学校は地域の核」。昭和中期まで日本のどこにでもあった地域の姿だ。
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【みな友ライブ】10月17日9時半〜12時。無料。出演はフラサークルプルメリア、屋敷寿学級、ハンドベルりんりん、屋敷小吹奏楽部、六中管弦楽部など。スリッパとマスク持参。TEL(475)4354同館。
街角のレストランを会場に
上質の音楽を食事とともに
習志野BRAND演奏会
毎月最終木曜の夜、京成津田沼駅に近いレストラン「キャラヴァンサライ」に音楽好きが集う。「習志野BRAND演奏会」だ。「気軽に音楽に親しむ機会を」と市内の音楽愛好家が意気投合し、定期的なコンサートを企画した。
受付を済ませ、まずは軽い食事。来場者は、ブッフェスタイルで食事を楽しんだ。
18時半。店長に案内されグランドピアノが置かれた部屋へ。この日はバイオリンとピアノのデュオ。室内楽などの音楽活動で知られるバイオリンの滝川和花子さんとピアノの広沢真緒実さんが、「美しきロスマリン」「リベルタンゴ」などの名曲を、解説を交えながら演奏した。
45分間の第一部が終了すると、来場者は、料理とワインをとりながらの談笑。曲の感想などで盛り上がる。
そして、後半のコンサートへ。来店から2時間半、心身ともに満たされ店を後にした。
企画の中心となったのは、同店と谷津のドラマー小針寛史さん、そして習志野第一病院の三橋稔院長だ。
小針さんは谷津で、妻の美津子さんとボランティアコンサートを企画する「TokyoBayミュージシャンズクラブ」を主宰している。「音楽で街づくりをしたい」と、谷津バラ園前などでコンサートを開いた。習志野第一病院のロビーで来院者や患者対象のコンサートも好評だ。
小針さんは30年ほど前、骨折の治療を同院で受けたときに三橋さんと出会った。習志野育ちでもとより音楽に造詣が深い三橋さん。音楽による街づくりという小針さんの夢に意気投合し、活動の場をさらに広げ、「気軽に音楽に親しむ機会を」と、街角のレストランでの企画へと発展した。
「もてなしの気持ちを大切に」とのコンセプトのレストラン「キャラヴァンサライ」は三橋さんとも縁があり、コンサートの意図にもぴったり。06年、「生きた音楽を身近なものにするための演奏会」がスタートした。国内外で活躍するプロの、息遣いも感じられるほどの間近での演奏。そして、食事も堪能できるとあって、40人の席は毎回ほぼ満席。毎月来場するという臼井孝介さん(73)は「コンサートや料理だけでなく、参加するお客さんの雰囲気もいい」と楽しみにしている。
「音楽の街習志野」の、市民の音楽レベルを知るシーンだ。
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次回は10月29日18時。演奏は大隅桂子さん(ピアノ)と青木美咲さん(フルート)。3500円。TEL(452)5123同店。
自主性で目覚めた美化意識
同世代連携企画し活動拡大
19日の「まるごみ」高校生実行委組織した
中山学園高校のゴミ拾い
9月19日、県内27市町村が同日にゴミ拾いをする「まるごみ」が行われる。ベイFMのDJ・KOUSAKUさんが呼びかけ、芸能人など著名人も賛同したイベント。昨年11月24日に初めて開かれ、船橋地区では1201人が参加、2・3dのゴミが集まった。 各会場では市民ボランティアが運営にあたり、船橋地区は「エコふなばし実行委員会」(大原俊弘代表)。加えて、他地区にはない「高校生実行委員会」がある。その中心となったのは、07年から船橋駅前通りのゴミ拾い活動を続けてきた、「中山学園高校」の生徒たちだ。
平日朝のラッシュ時、船橋駅前通りと本町通りとのスクランブル交差点付近から14号方面へ、通行人の間をよけながら路上のゴミを拾う。中山学園高校の生徒たちのこの行為は、クラブ活動でも授業でもなく、自主的な活動だ。
きっかけは2年前。ふなばし市民まつりの翌日だった。通りに散乱していたのは、にぎわいの副産物となったゴミ。そんな街路の光景を見かねた同校の福井誠教頭と数人の生徒が学校前の掃除を行った。
「その日だけのつもりだった」(福井教頭)。ところが、翌日も生徒たちは掃除を続けた。「きれいになれば嬉しいし、人の役に立てることも嬉しかった」という生徒の気持ちから、習慣化。清掃の範囲も、学校前にとどまらず、表通りまで広がった。自主性が活動意欲を増大させたのだ。
「できるだけ邪魔にならないように」背後に気を配りながらの清掃。通りすがりの人からは、「ありがとう」の感謝の声もある一方、通勤時間の急ぎ足がままならず露骨に嫌な顔をする人もいる。「無理はしないで、後輩につなげたい」と生徒の一人は継続してきた理由を話す。
朝の活動は徐々に広がり、市内イベントでのゴミ拾いにも参加するようになった。そして昨年、KOUSAKUさんから「ぜひ一緒にまるごみを」と声がかかり、他校の生徒たちへも呼びかけ高校生実行委員会を発足させた。
昨年のイベント終了後、船橋地区では毎月第1日曜10時からJR船橋駅北口デッキでのゴミ拾いが新たに始まった。「継続的なゴミ拾いをしてこそ、年1回のゴミ拾いの意味がある」と、高校生が提案したからだ。
今年の高校生実行委員会には、千葉英和高、市船橋高、津田沼高など近隣の高校生が参加。19日の「まるごみ」当日は、スタート地点でのゴミ袋の配布や、集まったゴミの分別作業などを担当する。
「まるごみ09」船橋地区は、9月19日9時スタート。ごみ袋配布場所は新京成線高根木戸駅、同北習志野駅前JUJU広場、同習志野駅前社会福祉会館、東葉高速線船橋日大前駅。ごみ回収場所は習志野台第二小学校。同小では11時からタレントのルー大柴さんなどが駆けつけ、音楽ライブや模擬店などが行われる。
安心な公園の保持に声かけや清掃の徹底
ファミリータウン 浜町防犯パトロール隊
公園をいつまでも安心して人が集える憩いの場にー。そんな思いから、船橋親水公園の目の前に建つマンション「ファミリータウン」の住民が、00年に結成したのが「浜町防犯パトロール隊」。以来、毎週1回の見回りが続けられた。その甲斐あってか、これまで、問題が起きることもなく経過した。毎年、花火大会の会場となる公園。今年も、多くの人が夏の風物詩を楽しんだ。
夜9時、マンション下の「はまかぜ公園」に防犯隊4人が集合。帽子にベスト、拍子木を手にした出で立ちで、パトロールがスタートした。
船橋親水公園を隅々めぐり、散歩の人やベンチで寝ている人に「こんばんは」と声をかける。
さりげない行動に見えるが、「声かけは難しい」と代表の岡本勉さん(65)は話す。
昨年9月、こんなことがあった。公園にオートバイの集団がたむろしていた。ここはオートバイの乗り入れ禁止。そんなことが、日常化すれば、静かに公園で過ごしたい人の妨げになる。岡本さんは冷静に注意し、警察に連絡した。それ以来、不審な集団は見かけない。
パトロールの途中には必ず、トイレへ立ち寄り清掃する。これは公園の管理業者に岡本さんたちが掛け合い実現した。
公園内にはゴミ箱がない。それも、きれいな公園を保つための手段だ。
また、禁止事項の書かれた看板は設置しないなどの要望をしている。利用する人の自主的なマナーの向上を促したいからだ。
そんな活動を続けてほぼ10年が経過した。メンバーも高齢化した。車での見回りを増やすことで隊員の負担を軽くしようと、先月22日、民間パトロールの印「青色回転灯」を付けた。船橋警察署管区では初めての認可で、原則、「青色」は法人にしか委託されないが、長年の活動の成果が認められ「任意団体」として受けた。
「青色」を導入したことで、公園の対岸にある湊町小・中学校への見回りなど、さらに見回り範囲を広げたいという。
「引っ越してきた30年前は、街がこんなにも栄えるとは思わなかった。だからこそ、いい街づくりを」と岡本さん。体力がもつ限りパトロールを続けるつもりだ。
千葉縁の童謡口ずさみ楽しんでリフレッシュ
「房総リフレッシュ体操」
千葉県が舞台になった童謡、「証城寺の狸ばやし」と「月の砂漠」。誰もが知っているこの2曲に乗せて楽しく体を動かそうという健康体操が、県内に広まりつつある。名前は「房総リフレッシュ体操」。県体育指導委員連合会女性部が「県をアピールできるような体操をつくりたい」と昨年、考案した。船橋では、金杉在住で女性部長の渡辺千代美さんを中心に、緑台団地のたすけあいの会などが取り入れ始めた。
♪しょ、しょ、しょうじょうじ…で始まる「証城寺の狸ばやし」。軽快な音楽を口ずさみながら、肘をあげて腰を左右に突き出したりするのが、県体指女性部が考案した「ぽんぽこ体操」。♪ぽんぽこぽんのぽん…のフレーズでは、タヌキのようにお腹を叩く。そんなユーモラスな仕草に、4日、緑台団地集会所で開かれた「ふれあいルーム」に参加した高齢者の頬も思わずゆるんだ。
緑台団地では、14年前から住民同士が暮らしを助け合う「緑台たすけあいの会」がある。「ふれあいルーム」は、同会が主催する月1回の集会で、対象は主に高齢者。落語、音楽などのアトラクションで、高齢者の楽しみと交流の場となっている。そのなかの一つが「健康体操」。これまでも、様々な体操に取り組んできたが、「1、2、3、4」というかけ声での体操は、神妙な顔になってしまっていた。
「だから、この(房総リフレッシュ)体操を知ったとき、とても楽しくて、ぜひ取り入れたいと思った」と同会の瀬下玲子会長は話す。
「房総リフレッシュ体操」は、「ぽんぽこ体操」と「月の砂漠」にのせたストレッチ運動との2部構成、約10分間の体操。先に「月の砂漠」のゆったりとしたメロディーにのせて全身をのばす。次に、リズムの早い「ぽんぽこ体操」。どちらも参加者は口ずさみながら体を動かした。
「高齢者も子どもも関係なく、誰でも楽しくできる」と、渡辺千代美さん。08年11月、千葉市で開催された「全国体育指導委員研究協議会」で、千葉県をアピールしたいと発案。振り付けは、高齢者の健康づくりに取り組む、国際武道大学(勝浦)の中島一郎教授が行った。
体育指導委員は、来年開催の「ゆめ半島千葉国体」でも披露したいと、普及への意欲を見せる。(09/07/11)
子ども気にせず息抜き
弾む子育て世代の会話
ママ喫茶「ひだまり」
「子育て世代の友だちづくりのきっかけに」と習志野市社会福祉協議会藤崎支部(野田順子支部長)では、母親同士が仲間を作る場を提供している。幼児を持つ母親を対象に06年から藤崎青年館を会場に始まったママ喫茶「ひだまり」。参加者は年々増えてきた。1歳未満の限定だけに参加期間は短いが、そこで知り合った人たちがグループとなって続いている。
毎月第一木曜の10時過ぎ。藤崎青年館の庭に、たくさんのベビーカーが並ぶ。
「あら、1ヵ月でずいぶん大きくなったわね」「そうなんです。重くて抱っこが辛くなってきました」
そんな会話が弾む。
ママ喫茶「ひだまり」がオープンしたのは06年10月。「乳児(0歳児)の母親には、外に出る機会が少なく、友だちづくりの場が必要」と、野田支部長らが提案した。
「母親が友だちをつくるきっかけを与える場」だから、ボランティアが赤ちゃんを預かり、別室で母親同士が交流する。
利用者は増加傾向にあり、取材のこの日は33組が訪れた。
生後3ヵ月の正樹ちゃんを連れて、この日が初参加という瀬藤恭子さんは「ボランティアから聞いてやってきた。同じくらいの赤ちゃんがたくさんいて安心」とホッとした様子。息子の体重が増えず心配だった瀬藤さんは、7ヵ月の菜奈子ちゃんを連れ立った小室綾子さんに相談。小室さんは「娘も小さめだと言われたよ」と自らの経験を話していた。
対象が乳児親子なので、1歳を過ぎると卒業をしなければならない。「ここはきっかけづくり。あとはそれぞれが仲間をつくってくれたら」との意図は伝わり、すでにいくつかのグループが定期的に集まっている。
その一つが、斉藤麻由さんたちのグループ。娘の日梨ちゃん(1歳1ヵ月)と同じ月生まれの親子、6〜7人で、月1回集まる。特別の活動はないが、「おしゃべりや食事が楽しい」という。
「開催回数を増やしてほしい」という要望は多い。しかし、ボランティアが足りない。この日は12人。ぐずる赤ちゃんをあやしたり安全に気をつかったり、母親同士うまく話ができているか様子をみたりと忙しい。お昼の終了時は、汗をふき拭き「お疲れさまでした」。
「今は月一回が精一杯。それでも多くの親子が参加し、グループができていることがうれしい」。子育て支援委員会の桑島京子さんは、そう話す。
安日豪ボランティアの連携で小型発信機でのルート追跡
湿地協定の習志野とブリズベン共同で野鳥の追跡プロジェクト
7日、谷津干潟自然観察センターを、オーストラリア・ブリズベン市から自然保護に関わる2団体が訪れ、講演を行った。ブーンドル湿地を含むモートン湾を抱えるブリズベン市と谷津干潟のある習志野市。共にラムサール条約登録湿地で、両市は98年に「湿地協定」を結んだ。以後、湿地の保護活動に関わるボランティアが互いの湿地を行き来する草の根の交流活動が続いている。そして11年目の今年、新たにビッグプロジェクトが始まりそうだ。
「シギ・チドリの飛行ルート追跡プロジェクトを、ぜひ日本と共同で行いたい」。7日行われた「谷津干潟の日」の講演で、ブリズベン市の野鳥保護団体「クイーンズランド渉禽類研究会」のアンドルー・ギアリング会長は熱っぽく語った。
谷津干潟に飛来するシギやチドリは、ロシア地方で繁殖、日本を中継地として南下し、オーストラリアやニュージーランドで越冬し、再び北上する。その飛行ルートを明らかにしようと、最新の小型発信機を鳥に装着して衛星通信で追跡しようというのが、ギアリング会長の言うプロジェクトだ。
そして、日本の協力要請の窓口として白羽の矢が立ったのが、谷津干潟に関わるボランティア。 「これまでの草の根の活動が実った」と、ボランティアの一人、阿久津斉さんは喜ぶ。
谷津干潟とモートン湾が国際的に重要な湿地として「ラムサール登録湿地」に認定されたのは、共に93年。シギ・チドリの飛行ルートとしても、東アジア・オーストラリア地域の共通の保護区で、谷津干潟とブーンドル湿地を行き交っている。
そうした深いつながりから、「地球規模で考え、地域から行動を」基本理念とする湿地協定を98年に調印。これまで、調査情報や水鳥に関するガイドブック資料の交換、ブリズベンから谷津南小学校への訪問、インターネットを活用した子どもたちの交流などが続けられてきた。
湿地協定以来、谷津干潟に関わるボランティアも、ブーンドル湿地への視察や植樹など手弁当での交流を2年ごとに行ってきた。それが、「環境への意識の違いを知る貴重な機会になっている」と阿久津さんは言う。
ブーンドル湿地やモートン湾では、野生化したペットが自然環境を脅かしたことから保護区での犬や猫の散歩を遠慮するようにしている。また、川や海の水の汚れの問題も、流域に関わる全ての州が連携して改善に取り組んでいる。
そうした文化の違いを知った10年を経て「水鳥に国境は不要。習慣、制度の壁を乗り越えた連携を」と、今度は共同のプロジェクトへ取り組む。(09/06/13)
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