TOP街角ほっと情報潮 風│異彩探訪私の周辺地域の試み│スポーツ│  │ご意見・ご要望本紙概要

国道14号は幕張インターを過ぎると幅広になり数ヵ所に歩行者や自転車のための歩道橋がある。しかし面倒なのか、歩行者の多くは、橋を避け、道路を横断する▼そこに昨年から、自転車専用の信号が設置された。その結果、横断する歩行者も以前に増して多くなった。夕方は高校生の横断が多い。部活帰りだろうか、デカバッグを肩にかけ「ちんたら」歩く。信号が赤になっても急ぐ気配もない。部活で疲れたのだろうか。それにしても覇気がない。もちろん筆者は「ちゃんとした」若者も数多く知っている。それ以上に無気力な行動の若者が目立つ▼この信号で、右折して14号に入ろうとする車は、信号変換ぎりぎりに数台通過する程度、夕方など信号の3〜4回待ちはざらだ。自転車の便宜を図り、スムーズな交通のための方策だったに違いない。しかし結果はこの通り。ルール無視、モラル欠如。人の社会を住みにくくしている一因がそれ。 (08/03/22)

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 「ウグイスの初鳴き」も、桜前線のように南から上ってくる。12日、船橋県民の森に問い合せてみたら、「今年はまだ聞かない」という▼春先のウグイスの「ホーホケキョ」はたどたどしい。デビューの若鳥は、前年の先輩たちの鳴き方を真似ようとするが、なかなかうまくいかない。この状態を「ぐぜり鳴き」という。ただ、ベテランの鳥も、半年休んでいたせいで春先は上手くない。練習を積んであの「ウグイスの谷渡り」になる▼「下手のまま」の鳥もいるという、県立中央博物館・生物音響学の大庭照代さんの話が面白い。市街地近くにいるウグイスは概してそうらしい。先輩の下手な鳴き声を若鳥も真似するから、上達がない。真似は「訛」もうつる。だから、ウグイスにも方言があり、例えば千葉と九州では鳴き方が微妙に違うという▼今週は春本番の陽気。「時にあらず」と控えていた鳴き声もそろそろ。そんな春の音を聞きに出かけませんか。(08/03/15)

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 映画「フラガール」では、失意のまま東京に帰ろうと列車に乗り込んだフラダンス講師(松雪泰子)を、教え子たちが追いかけてきて、今にも発車しようとする列車に向かって、習ったダンスの振りで引止めようとする▼かくして、駅は映画の舞台によく登場する。他にもあった。「鉄道員(ぽっぽや)」、「カサブランカ」、「ニューシネマパラダイス」…数え上げればきりがない▼本紙で05年10月から連載してきた「各駅探訪」(7面)も最終回。読者からの「ずっと続けて」の励ましで3市内の全駅を掲載することができた。振り返れば、県内の乗車人員は@船橋A柏B西船橋C千葉D津田沼、と、ベスト5に本紙エリアが3駅も。つまり、ここは首都圏の人的エネルギーの源なのだ▼駅は市民生活の断面を映し出し、世相を色濃く反映する場所。実に多様な人が行き交う。「各駅探訪」で、読者が駅との関係を改めて意識し、街への愛着が増したとしたら幸い。 (08/03/8)

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 季節を大きく外すが、「夕すずみよくぞ男に生まれけり」と詠んだのは、蕉門十哲の筆頭・宝井其角。その其角の忌日は2月30日とされている。閏年の今年は2月が29日。暦を無視すれば、3月1日は2月30日とも解釈できる。豪放磊落の奇人・其角に相応しい洒落というわけではない。当時の貞亨暦によるもの▼貞亨暦は貞亨2年(1685)から始まった暦で、それまでの中国の暦に代わる初の日本製暦。その後、何度かの改暦をへて現在の太陽暦になったのが明治6年(1873)だった▼これには有名なエピソードがある。年俸制だった公務員の給料は、明治4年に月給制に変わっていた。ところが明治6年は旧暦閏年で1年が13ヵ月。苦しい財政の中、1ヵ月分余計な給料を払わざるを得ない新政府が目をつけたのが、1年が12ヵ月で変わることない太陽暦だった、というわけ▼政府のご都合主義は今始まったことではないようだ。
(08/03/1)

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  話題には事欠かないのか、先週の東京マラソンについて、テレビ各局はこぞって伝える▼印象的だったのは、還暦で4時間を切った鈴木宗男衆院議員。ふだんよほど走り込んでいるとみえる。体調を気遣う家族の反対を押し切っての2年連続の完走は、北国生まれの粘り強さか。これまで、政治家としてイメージがよいとは言えないが、スポーツという場面では違う姿が見えてくる。パフォーマンスだとしても、走り切る気力。このエネルギーを政治家として、国民の利益のために使ってもらいたい▼それにしても、人はなぜこうも走るのだろうか▼筆者も、スポーツジムに通うようになって、ジョギングのまねごとを始めた。不思議なもので駆けるほどに欲が出る。負荷をかけ、時間を延ばす▼健康の効能以外に「走ることは自分との対話」と言った走者もいた。確かにふだん別々になりがちな心と体がこのときばかりは懸命に呼応している気がしないでもない。
(08/02/23)

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  中国産冷凍ギョーザによる中毒事件が連日、テレビや新聞で報じられている。発覚以来、以前からあった、他にもあると健康被害を訴える数は日ごと加算されていく▼被害者への応答窓口を開いたのは、JT、日本生協連合会、味の素冷凍食品、加ト吉、江崎グリコ、マルハなど、スーパーなどでもよくみる会社の名前がズラリ。こうして見るだけでも、私たちの食卓には輸入冷凍食品がかなりの部分を占めていることが分かる。ここにきて日本の食糧自給率38%を実感した▼これまでは、市場原理優先で回ってきた食糧事情、これをきっかけに転換する時代にきていないか▼幸い千葉県は、山海の産物に恵まれた土地。地産地消を実行に移す好機ではないか。かねてから叫ばれてきたが、スローガンだけが先行した感がある。美味しい県産物を鮮度の高いまま県民の口に入るそのためのシステムを考える時。今こそ、地域の出番がやってきた。(08/02/16)

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 首都圏で雪が降るのは、たいてい2月〜3月。この時期、西から南岸よりに低気圧が進んでくるためらしい。すると、雪は、北からやってくるのではなく、南の雲と北からの冷気とのハーモニーなんだ▼立春の日の4日、海老川沿いを歩いた。前日に降った雪が斜面の岸辺の所々に真綿をちりばめたよう。桜の花芽も、それと分かるような膨らみを見せ、春間近を知らせる。台風一過を思わせる快晴だったが、頬を伝う風は真冬のそれ。寒が明けてからも残っている寒さを「余寒」という。この期間の長さや気温がサクラなど花の開花時期を左右する▼「鎌倉を驚かしたる余寒あり」(高浜虚子)。温暖な鎌倉を驚かすほどの寒波がやってきた、ということだろうか。千葉県人なら、「鎌倉」を「房総」と置き換えても虚子は怒るまい▼積もるほどではないが、雪は週中にも舞った。春は名ばかりだが、自然が奏でる冬のハーモニーもそろそろ最終楽章。とりわけ、春が待ち遠しい冬だ。(08/02/09)

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NHKドラマ「ちりとてちん」は、上方落語を巧に挿入しながら、面白おかしく展開する。主役の貫地谷しほりさんの見事なドジぶり、硬軟織り交ぜた藤本有紀さんの台本が楽しい▼先日の場面で、「若者が、落語のオチが理解できない」というのがあった。今を考えさせられるシーンだ▼日本の文化や伝統を楽しく伝えていく意味でも落語は貴重だ▼古今亭志ん生の十八番に「火焔太鼓」があった。うだつの上がらない道具屋の噺。店先の薄汚い太鼓が天下の名品と分かり、殿様に買い上げられる。喜んだ道具屋、鳴り物は儲かる、今度は半鐘を仕入れると意気込む。そこで女房「だめよ、おじゃんになっちゃう」▼オチの説明は不粋なのは承知で、若者向けに…。半鐘とは火事を監視する火の見やぐらの警報の鐘。鳴らすと「ジャンジャン」。それと、全てが台無しになる意味の「おじゃん」をかけた▼腹の立つことが多い昨今、笑いは、社会の不快な部分を中和させてくれる。
(08/02/02)

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  偽装充満。少々のことでは驚かなくなった。神経がマヒするのが怖い▼今度は製紙業界だ。「古紙配合率40%」のはずの年賀はがきが、実際は1%。それだけではない、再生紙のコピー用紙やノートも。大手5社が同じように偽装したというから、あきれた「ぐるみ」だ▼ニュースによると、「他社は(高い配合率でも製品を)つくることができ、できないのは当社だけではないかという疑心暗鬼の気持ちがあったのでは」という、あるトップの発言があった。これでは、競っているのは「品質」ではなく「偽装」ではないか。他にも、配合率を上げての技術に限界あるとか、古紙の中国への輸出で不足したなどの弁明も聞かれた。そのような事情なら最初から実情を説明して方策を考えればよいのに▼「これは再生紙を使用しています」という出版物をよく見かける。それだけ国民は環境問題に神経質になっている。そんな良識ある人にも結果的に嘘をつかせることになった。
(08/01/26)

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 温室効果ガスとして定められたのは二酸化炭素、メタンなど6種類。太陽からの熱を地球に封じ込め、地表を暖める働きがある。その削減を求める京都議定書の約束期間が今年からスタートした▼地球温暖化対策推進法では、国、自治体、事業者、国民が一体となって取組むべきとした▼家庭では、電気消費量が増すほど電気供給元の火力発電所でCO2排出量が増え、石油ストーブや自動車の使用で直接的にCO2が排出される。家庭からの排出量は日本全体の約21%を占めるという▼家庭での省エネの継続に、環境家計簿の利用はどうか。家庭で使う電気、ガス、水道、ごみ、ガソリンなどの量にCO2の排出係数を掛けて排出量を換算する形式のものが多い▼環境省の事業「我が家の環境大臣」のエコファミリーウェブサイトでは環境家計簿を提供している。記録することは環境への意識を高めることにもなる。一度アクセスしてみては。(08/01/19)

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「かくて明けゆく空の景色、昨日に変りたりとはみえねど、ひきかえ珍しきここちぞする」。兼好法師は『徒然草』に、元旦の気持ちをそうつづっている。昨日と今日はどれだけの違いもないはずだが、新年となると、清新で普段とは違った気持ちになる、と▼時の節目だけで気持ちの切り替えができる人間という生き物の単純さが時々、「いいな」と思う▼こよみでは、季節の変化を二十四節気で表現する。常に自然と向き合いながら生活していた時代は意識していた節目だが、最近はニュース聞いて「あ、そうか」と気づくことが多くなった▼今月は6日が小寒、21日が大寒で、2月4日の立春の寒明けまでを寒中という。そんなきびしい季節も、人は歌を詠んで楽しんだ。「きびきびと万物寒に入りにけり」(富安風生)▼何かにつけストレスになりやすい現代。何事にも深刻になり過ぎず、季節を楽しむ余裕で1年を過ごせたらよい。(08/01/12)

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 今年の取材メモから▼グアテマラ共和国でペンションを経営する田代晴信さんは「物が何でも揃う、時間に正確」という日本のよさを認めながらも「日本人の常識が、世界の常識とかけ離れている」と感じ始めている▼船橋芝山高校でビオトープつくりを指導する佐野郷美教諭は「昔は、人間が生きるために土地を整備した。今では生物の環境のために私たちが手をかけなくてはならない」▼学校と地域の融合教育を進める元秋津小校長の宮崎稔さんは、徹底的に本音で話し合うことが肝心と言い、「ダメな大人でいい。ダメでないフリするよりずっと」▼五ツ星お米マイスターの牧野基明さんは「生産者の心意気を消費者に伝えたい。店はその情報発信基地」▼今年定年退職した団塊世代の知人が、常に混雑の中にいたことを「退職でやっと自らの時間をコントロールでき、とりあえず混雑だけは避けられる」と▼よいお年を。
(07/12/22)

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今年の取材メモから▼「食」に携わって42年、習志野台の自宅に子ども対象の食べ物に関する教室を開いた藤原勝子さん。「食事のコントロール出来ずして、人生のコントロールはできない」▼全国の食育コンクールで審査委員会奨励賞を受賞した板良敷信子さんは「赤ちゃんは母乳を一生懸命飲む。みんな自分が必要な栄養を体に取り入れることを知っているんです」▼鎌ヶ谷新春マラソン大会女子10`で2連覇した幸田昌代さんは「私は進化するオバサンです」▼青年海外協力隊員としてパプアニューギニアで4年間過ごした上野政治さんは、現地に800以上の部族と多文化があることを知り「相手の行動や考え方には必ず理由がある。そんな、人と接する基本を学んだ」▼県障害者差別撤廃条例作成に尽力した弁護士・佐藤彰一さんは「人生にトラブルはつきもの。だが、それを人は乗り越えられる。だから人生は面白い」▼次号に続く。 (07/12/15)

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40年近く吸っていた煙草を2年前にやめた。多いときは1日2箱。原稿が進まない時など本数は増え、同僚に煙草で文章書いているの、といわれたこともある▼何度か禁煙を試みた。最大半年。挫折は20回を数えた。よく、知人に自慢?した。「禁煙は簡単、私は20回もやめた」▼2年前の秋、夜中に咳き込んだ。何か異常がある気がしたが、朝起きても、どってことなく、そのまま出勤した。だが、その日は煙草を吸う気がしない。夕方、少し欲しくなったが、このまま禁煙しようと決心した▼禁断症状はあったが、水分をとって和らげた。氷はもっとよいらしい。ただ、禁断症状を除けば、快適だった。喉のつまりや胸焼けは解消し、寝覚めすっきりになったことを、禁煙の成果だと明確に意識できた。この快適さを何としてでも維持したい。そうやって2年以上が過ぎていた▼意志薄弱な筆者が言う。快適さを実感できれば禁煙は困難ではない。
(07/12/08)

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本紙ではよく「今週末」という表現を使う。書き手の意図としては、発行週の土曜日曜のつもりだが、はて、日曜も「週末」と呼ぶのか、しばしば考えることがある。カレンダーは横書きで、多くは日曜は左端で土曜が右端の並び。ということは、1週間の始まりは日曜日。辞書で「週末」を引くと「金・土曜から日曜日にかけてのころ」とある。月曜日は休日明けで「今日から仕事が始まる」といった生活上の初日感がある。形式はともかく生活上の感覚を大事にするのも人間的だと思う▼曜日は、天体を基にした暦と違って、人工的に作られた時間の単位。だから人間が生活するに好都合。曜日のおかげで、仕事に疲れたころ休日がくる▼7日という単位は、「旧約聖書」の創世記に「神が6日の間に天地を創造し7日目に休息した」とあり、それが世界的になったという▼1週間のリズムで動きながら1年は52週。今年も4週を残すだけになった。
(07/12/1)

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「神田川 待たせた俺が 今は待つ」。今年の「いい夫婦川柳」の大賞は、結婚して30年以上が経過した団塊世代夫婦の情景が見える▼11月22日の「いい夫婦の日」にちなんで、「いい夫婦」をすすめる会が募集したところ、2回目の今年は昨年の3倍近い14194作品の応募があった。メタボリック、千の風、団塊世代、年金など世相を反映する単語が多かったという▼「冬の道 陽あたり選んで 妻と行く」。「夕暮れに 歩く二人は Mの文字」。健康志向か、朝に夕に、散歩する夫婦を多く見かけるようになった▼「君が好き もいちど聞いたら 黄身が好き」。仲良し夫婦の照れが見え隠れ▼「レストラン 伝票持って 妻を追う」、ところが、「妻総理 財務も兼ねて 俺防衛」、女房の今の心境は「10年前 あなたも 王子に見えたのに」▼そして、こんな素敵な川柳もあった。「頬撫でた 風は亡夫(あなた)か 夫婦の日」。
(07/11/17)

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先週日曜日、三番瀬での千葉県野鳥の会の観察会に同行させていただいた。秋晴れの海岸が清々しい▼浜に出ると早速、会員の1人が望遠鏡の焦点を合わせたのはミヤコドリ。ここには毎年、150羽ほどが越冬のためカムチャツカから飛来する。希少種でこの数が日本全体の3分の2だという▼防潮堤の内側でダイゼンがエサを漁っている。最近、手賀沼から越してその数を増してきたという。野鳥たちは水場をよく往来する。ハマシギ、オナガガモなどは潮の干満を見計らって谷津干潟と三番瀬を巧みにすみ分ける▼沖合いに数百b延びた野鳥の群れがある。越冬のため飛来したスズガモだ。ピーク時には東京湾全体で10万羽を超え、その半数がここをねぐらとする▼虫食いの野菜が安全なように、三番瀬という水場の快適さを野鳥は教えてくれる。そこは人にとっても快適であることを。数も種類も、野鳥たちのにぎわいはこれから本番。
(07/11/10)

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先週日曜日、三番瀬での千葉県野鳥の会の観察会に同行させていただいた。秋晴れの海岸が清々しい▼浜に出ると早速、会員の1人が望遠鏡の焦点を合わせたのはミヤコドリ。ここには毎年、150羽ほどが越冬のためカムチャツカから飛来する。希少種でこの数が日本全体の3分の2だという▼防潮堤の内側でダイゼンがエサを漁っている。最近、手賀沼から越してその数を増してきたという。野鳥たちは水場をよく往来する。ハマシギ、オナガガモなどは潮の干満を見計らって谷津干潟と三番瀬を巧みにすみ分ける▼沖合いに数百b延びた野鳥の群れがある。越冬のため飛来したスズガモだ。ピーク時には東京湾全体で10万羽を超え、その半数がここをねぐらとする▼虫食いの野菜が安全なように、三番瀬という水場の快適さを野鳥は教えてくれる。そこは人にとっても快適であることを。数も種類も、野鳥たちのにぎわいはこれから本番。 (07/11/10)

出たきり中年だが、秋晴れの先週日曜日は、なぜか家にいた▼朝はワールドシリーズ。試合のカギを握った松坂、岡島、松井のはつらつプレーに興奮▼午後は天皇賞。注目は、GT3勝馬のメイショウサムソンと、同馬初騎乗の武豊騎手。内枠有利とされる東京競馬場2000bの1番枠。それを利して、好スタートから馬に負担かけることなく直線へ。ゴール前300bで武騎手のムチがとぶ。2馬身半の完勝は、同馬自身、GTでは初のこと。名手によって引き出された新たなパフォーマンスに感動▼日本シニアオープンゴルフ。青木功選手が、6打差を逆転してエージシュート(自らの年齢と同スコア)のV。体形もスイングも、65歳のそれではない。グリーン周りやパットは定評のあるところ。的を射た解説者のように、全てを分かりつくし、それを同時進行で実践する。そのことがとても痛快▼いずれも職人技。プロのプロたる所以だ。
(07/11/03)

実りの秋は、「新―」が目立つ。新米、新さんま、新そば…。食欲の秋に、多彩な旬の味覚が揃う。うまくしたものだ▼人は、大部分が舌にあるという味蕾で味を感じる。その中にある味細胞が脳に伝わり、「美味い、不味い」など識別するのだそうだ。年齢と共に好き嫌いがなくなるのは、味蕾が開発されたためとか。私たちの体は、複雑な過程を瞬時に処理する高性能の組織なんだ、とつくづく▼食物の美味さは、香り、温度、視角、環境、体調、季節、雰囲気などにも左右される。個人的味覚の差はそのせいか▼農水省がインターネットで行った人気投票「食べてみたい、食べさせたいふるさとの味」によると、山形の「いも煮」、鹿児島の「鶏飯」、秋田の「きりたんぽ鍋」がベスト3。上位に千葉県の郷土料理は見えないが、料理はあくまでも個人的味覚、産物の美味さは他県に負けない▼さて、何を食べようか。食に心騒ぐのも、秋のせいだ。
(07/10/27)

 先日、NHKのニュースが、イギリスで肥満の人が、この25年で2倍以上、成人の4人に1人に達し、アメリカに次ぐ肥満社会になりつつある、と報じていた▼先進国はどの国も似たようなものだろう。個人の努力での解決は難しく、社会全体の意識変革が必要な時代になった▼その意味で、東京・杉並区の「あなたもウエストサイズ物語の主役になりませんか」の呼びかけが頼もしい。G・チャキリスの足の長さが印象的だったあのミュージカルをもじったメタボリック症候群の予防運動。サイズダウンの目標を掲げ、運動や食生活の講習会のほか、健康チェック機器を商店街に置く。挫折しないようアドバイスの手紙も送る。昨年はモニターの7割で腹囲減少が見られたそうだ▼医療費負担をどう軽減するか、メタボ対策は社会全体の課題。車など動力に頼らず足を動かすことを生活習慣にしたい。高齢での健康維持も社会貢献の一つかも。
(07/10/20)
 
船橋の畑では、泥面子がよく出土した。江戸時代のおもちゃで、お面や文字を模った円形の素焼きだ▼なぜ船橋の畑から?そのルーツをたどると、江戸の町の絶妙なリサイクルシステムにたどり着く▼作物を育てるには肥料がいる。それは江戸から買った塵芥や下肥などの廃棄物だった。泥面子はその中に混じっていた。江戸の人口は100万〜120万人。海外から資源や物資が入る時代ではない。不用品の修理・再生業が盛んだった。ゴミや下肥も例外ではない▼江戸時代の日本は「植物国家」と『大江戸リサイクル事情』(石川英輔著・講談社)に。綿花は着物、菜種は照明、わらは蓑やわらじ、竹は傘の骨やざるに…植物だけで生活が成り立ち、都市と農村でモノが循環し、ごみもゼロに近い。再循環・再利用が生活そのもので、「リサイクル」を意識することはなかった▼私たちの住む現代とは、何だろう。10月はリサイクル推進月間、少し考えてみたい。(07/10/13)


園内の至るところに花がある。アンデルセン公園を主会場に始まった「全国都市緑化フェア」。83年に大阪市で始まり今年で24回目。県内では95年の千葉市以来だ▼主会場というからには他の会場もある。市内51ヵ所の「まちかどフェア」だ。三咲や大穴北の町会有志による「しんわ花壇クラブ」もそれに関わった。通常は11月に咲く小菊をフェア開催に合わせようと昨年から試行。4月の挿し芽で10月開花の確信を得た。会員が丹精し、7月までは順調だった。しかしこの夏の猛暑、フェアは始まったが開花を見ない。「植物は自然に忠実、期間中には開きますよ」と同クラブの加藤久男会長▼こうして、フェアには多くの市民や団体が関わった。目的は、都市緑化意識の高揚。一過性では価値はない。実は、鳥取市の誘致断念で急きょ船橋市になった今年のフェア。そんな幸運を街全体の日常的な緑化につなげてこそフェア開催が意味を持つ。
(07/10/06)

『竹取物語』には、月の世界は「年を取ることもなく悩みもない」とある。だが、月に帰る時が迫ったかぐや姫は翁に「嬉しくございません。お二人の老い衰えるさまを見とられぬが悲しくて」と嘆く。苦しみや悲しみの存在するこの世界にとどまれるなら、そうしたいという姫。日常のことにくよくよしながらどこかに逃れたいと思う現実に生きている私たちへの励ましにも聞こえてくる。悩み苦しみを抱いて生きてこそ価値ある人生なのだと▼公募で決まったという、その昔話に由来する名の、日本初の月周衛星「かぐや」が軌道に入った。14種類の精密な観測機器を搭載し、地球から見えない裏側の地形、月全体の元素分布、水の有無などを調べるとか。最も身近な天体と思っていたが、まだ謎は多いようだ▼こうして現実的な話題を聞かされても、月は月。その情緒ある姿にロマンが減退することはない。そういえば、中秋の名月は近い。
(07/09/22)


「職を賭して」とは、これから始まることへの覚悟。その論議が始まる直前に「やーめた」とは、どう理解すればよいのか。この場合、「職を賭す」ではなく、「職を放棄」ではないのか▼言葉の表現で言えば、「そうは問屋が卸さない」を「そうは問屋が許さない」と誤用した人が24%もいたと、文化庁の国語世論調査が伝える▼他にも、「上を下への大騒ぎ」と本来の表現を使った人は21%に対して、「上や下への大騒ぎ」と誤って使った人は59%いた▼慣用句の意味を問う質問で、「流れにさおさす」を「傾向に逆らう」意味に解釈している人は62%。正しくはまったく逆の「時流に乗る」意味。「さお」は舟を操る長い棒の棹。棹を水底に突きさし舟を進めるのが「棹をさす」。流れに従い棹をさせば舟はより速度を増す。今、そのような光景を見るのは、観光地での川下りくらいだろうか。慣用句の誤用や誤解は、元の史実や事物と現代とのズレもある。
(07/09/15)


台風9号が発生したのが、先月29日。天気予報は、発生から通過するまで連日、情報を続ける。規模や接近する目安が分かり、予定を組むにも有益な情報だ▼千葉県で、台風9号の影響を感じ始めたのは、5日の未明あたり。発生してから1週間後だ。なくてはならない情報であることは確かだが、連日聞かされていると、ずっと台風の中にいるような錯覚に陥ってくる。実際に、影響を受けるのは2〜3日。人間の脳は、必要な期間だけの情報を受け取る仕組みにはなっていない。情報過多をいかに整理するか、これからの生きる知恵なのかもしれない▼そんな大切な情報をいち早くキャッチし伝達するのが気象衛星ひまわり。寿命は5年といわれ、現在働いているのは6号。昨年打ち上げられた7号はバックアップ衛星で、10年から使用開始されるという▼その「ひまわり」が、最初の画像を送ってきたのが30年前の77年9月8日だった。
(07/09/08)


小学時代の夏休み、近所の林のセンダンの木の枝に、余地なくとまったクマ蝉を見て、その数の多さに驚いた記憶がある。鳴き声はなく、昼寝?だったのだろう。一帯にはツクツクホウシやアブラ蝉もいたが、圧倒的にクマ蝉が多かった。九州の離島の話だ▼従来は関東以西の太平洋側に分布するとされていたクマ蝉だが、90年代以降、生息地を北に広げているという▼21日付読売新聞「緩話急題」によると、90年には太平洋側で神奈川・城ヶ島が北限だったが、95年には千葉と東京で抜け殻が採取された。大阪では80年代にアブラ蝉の数を上回ったという。乾燥に強いクマ蝉が、過去50年で平均気温が1・5度も上昇した大阪や東京の環境に適応し始めたというのだ。増えすぎたクマ蝉による光ファイバーケーブルの断線被害のニュースもたびたび▼一寸の虫にも五分の魂。便利さを求めてヒトが壊してしまった自然の悲鳴を、身をもって伝えてくれているのかも。 (07/08/25)

気温35度以上を猛暑日。気象庁は、今年からそう呼んでいる。「今年から」に、お天道様も意識した?のか、その猛暑日の多いこと。それでも日が落ちると少しはしのぎやすい▼「夕涼み」という文字が目に入った。「竹宵の会・夕涼み」。竹行灯による夏の夜のイベントだ▼2年前の5月、習志野市花咲の尾曽昭雄さん宅の庭にご近所さんが集まった。竹灯りを囲んでの談笑だ。その話は口コミで広がり、その年の夏、近くの菜園で竹行灯300本を灯すと、150人もが集まった。町内のこの人出は「盆踊り以来のこと」だった。ロウソクの淡い光に癒されるように、住民たちの談笑は夜遅くまで続いた▼それが今、市域のイベントに発展した。本来は、竹が増え過ぎたことで生態系への影響を懸念した尾曽さんらの竹害対策だった▼竹の有効利用、省エネ、灯りに引き寄せられる人々。ほのかな明かりが、地域コミュニケーションの核になろうとしている。 (07/08/18)

北の果ての港町。故郷へ帰る男(高倉健)が立ち寄った赤提灯に、女(倍賞千恵子)がいた。大晦日、テレビは紅白歌合戦。♪お酒はぬるめの燗がいい、肴はあぶった…▼『駅・STATION』(81年・降旗康男監督)のワンシーン。ひかれ合う、男と女の心情を「舟歌」に託した演出が印象的▼酒飲みの素朴な気持ちを背景に、男と女の「はにかみ」を綴った。最近の、直接的表現の歌にはない味が行間に漂う▼作詞家・阿久悠さんが亡くなった。ピンクレディー、都はるみ…ジャンル多岐に5千曲を超える▼自身の著『書き下ろし歌謡曲』(岩波新書)に「人間の感情は、蛍光灯がついていると許さないけれども、蝋燭の下だったらいいのかというようなことがあるじゃないですか。理屈っぽく考えればあほらしいものが成立するところが、またよさじゃないですかね。それを全部そぎ落としていったらつまりませんよ」。そんな寛容さが、数多のヒット曲を生んだのかもしれない。 (07/08/11)

年金記録不備問題への対応や子育てなど、候補者の訴えは熱い▼12日に公示された参院選も明日29日が投票日。前回04年の船橋市の参院選投票率は52・49%。全国の56・54%をかなり下回った▼「私の周辺」(2面)の宮尾氏も書いているが、筆者も期日前投票に行った。22日の日曜午後、投票所には切れ間なく有権者が足を運んでいた▼争点が明確な選挙はこれまでも投票率が高いという。今回はどうか、船橋市選管に期日前投票の状況を聞いてみた。24日までの12日間で2万1983人。同じ期間、前回は1万3456人だから、すごい伸び率。このまま投票率のアップにつながるのだろうか。首都圏のベッドタウンのような、無党派層が多い地域では、投票所に向いた足が多ければ多いほど、その結果がもたらす意味は少なくない▼選挙は、有権者が政治に参加できる唯一の手段。有する権利は、投票所に足を運ぶことで行使される。棄権だけは避けたい。 (07/08/04)

「スポーツ健康宣言都市」。以前は、何かにつけ船橋市内でよく見かけた文字だが、最近は市のホームページにも見えない。市に聞くと「宣言をやめたわけではありません」という▼その「スポーツ健康都市」の象徴が市船橋高だった。83年に体育科が創設、それまで無名だった同校は、駅伝、バスケ、バレー、サッカー…と次々に全国区へ▼野球も88年春に甲子園初出場。そして、小林徹監督を擁し93年には春夏連続出場、96年からは3年連続夏の大会出場を果し名門校の仲間入り▼小林監督の下でコーチに専念していたのが、現在の野球部監督・櫻内剛さん。生まれも育ちも習志野台で、同校の体育科一期生。そして今年、船橋のDNAをもつ監督として全国の舞台へ立つ▼9年ぶりの出場。その間の空白が、どこか不自然に躍起となっていた「スポーツ健康都市」の力みをなくし、特別ではない生徒たちの、市民に身近なチームに見えてくる。この夏、楽しみが増えた。 (07/07/28)

普段の「行い」が彼女ほどよい子はいないのにその晴れ舞台は台風に見舞われた。先週日曜、社員の結婚式、遠来からの参列者には遅れも数人。自然現象には逆らえない▼7月としては観測史上最強だったという台風4号。世界的な異常気象を引き起こすとされる南米ペルー沖の「ラニーニャ現象」の影響も指摘されている▼海水は大気と比べ暖まりにくく、台風発生域のフィリピン沖の北西太平洋では、海面水温が上がるピークは9月。ところが今年は同海域の水温は6月以降、平年より高く、フィリピンから沖縄近海にかけ30度以上の海域が広がっているという。そこを通過した4号は強い勢力に発達した▼そして、翌日は新潟で震度6強の地震。自然災害の怖さを改めて知らされた▼「災害は忘れたころに、やって来る」と寺田寅彦は言ったが、ここ数年、傷跡も癒えぬうちに襲われる。人知を超える自然の力に対しては、体験を忘れず、対策をこまめに打つしかない。 (07/07/21)

国の動きを待つのではなく、自分たちで地域のルールを整えた、県の「障害のある人もない人も共に暮らしやすい県づくり条例」が今月1日から施行した。医療、雇用、教育、不動産取引などの分野で、どんな場合が差別なのか具体的に示した。問題解決には、地域相談員、広域専門指導員、不徹底な場合の改善の仕組みも整えた▼公募による研究会が、県内各地でタウンミーティングを開き大勢の人を巻き込みながら1年がかりで条例案を練り上げた。差別した人を罰するのではなく、理解を深め、味方になってもらうための条例だ。しかし、県議会は立ち往生。継続審査、大幅修正、取り下げ…と、一時は消えかけた▼原案から大きく姿を変え、成立したのは昨秋。障害者、企業、議員たちはじかに議論を交わし偏見を解いていった。互いを尊重しながら譲り合い、折り合いをつける。ここには確かな民主主義があった。この条例がよいかたちで成熟していくことを願う。 (07/07/14)

夏至のころは梅雨。北半球では1年で最も昼間が長い日だが、梅雨の曇天では昼が長いという実感がない。ところが今年は入梅後も好天が続き、夏至が近づくにつれ、日の長さをしみじみと感じた。こんな年も、そうあるものではない。休日など薄暮と枝豆を肴に飲むビールが格別だ▼その夏至は昨日。ここ数日は、日の出4時24分、日の入りが18時59分で、昼間は14時間35分もある。千葉の場合、夏至の太陽の南中高度は78度と、まるで頭上からの直射だ。冬至は31度で、その差は47度▼のんきなことばかりは言ってはいられない。カラ梅雨による水不足が心配されている▼元々、自然が相手では、確定した未来などあるはずもない。梅雨時の雨量を見込んでの生活サイクル。農業など常に自然と向き合う人たちは特に敏感だ▼水道のない時代、人々は、水は上から落ちてくる天の恵みと感謝した。なら、カラ梅雨は何かの天罰か。節水は自然への畏敬を意味する。 (07/07/07)

10年ほど前、数々の国際映画祭で注目されたベトナム舞台の映画で「季節の中で」というのがあった。印象的だったのが、小船で池の白蓮を摘むシーン。画面いっぱいに無数に広がる。映画で使われたのは造花で、監督がイメージした白蓮へのこだわりだったとテレビの映画番組で聞いた。それほどまでに蓮はインパクトある夏の花だ▼3日付読売新聞の「四季」は蓮。添えられた写真が大賀蓮。この花が2千年の眠りを経て開花したのは有名な話▼大賀一郎博士は、丸木舟が出土した千葉市検見川の東大農場に着目。中学生ら65人が発掘にあたり、着手後20日が経過したころ、地下6bの青泥層から黒い蓮の実が出てきた。博士の手で発芽作業が行われ、ついに淡い紅色の花を咲かせた。1951年7月18日のことだった▼そのロマン漂う古代の花が今、千葉公園の綿打池で見頃を迎えた。明日8日までは、池が眺望できるデッキが午前6時から開放されている。 (07/06/23)
 
夕暮れ、玄関で「ごめん」という声。立っていた見知らぬ老人は20年前家族を捨てた父だった。母親が女手一つで、3人の子どもを育ててきた。突然の父の帰宅に長男だけは「俺たちに父親がいるわけはない」と拒絶する。三日三晩家の周りをうろつき決心しての帰宅だったが「やっぱり、入らんほうがよかった」といって家を出る。その直後、長男は弟に「お父さんを呼び戻して来い」と叫ぶ。菊池寛の戯曲『父帰る』は、恨みを超えた、血脈の愛の確かさを教えてくれる▼この物語の背景は明治時代。父親は経済的にも精神的にも家族の支柱だった▼そして平成の今、女性の社会進出や核家族化など、父親を取り巻く家庭の状況も大きく変化した。若い世代の家族を見ていると、父親は子育てに関心を持ち、家事を手伝うのも普通の風景になってきた。地域社会全体で子育てを応援する意識も大切だ▼明日は父の日、新しい父親像、家族の在り方を考えるよい機会だ。 (07/06/16)

レジ袋なるものは、いつ頃から出回ったのだろうか。『「レジ袋」の環境経済政策』(舟木賢徳著・リサイクル文化社)に、こんな話が載っている。70年代の初めのこと、梨狩りに使っていた竹カゴが、女性客のストッキングの伝線を起こし不評だった。そこで、取っ手をつけた透明なポリエチレン袋を考えた。レジ袋の原形だ。それが好評で、スーパーから広まっていった▼便利なものは人々の支持を集める。今、大袋にして年間、約300億枚消費するという。そこで、レジ袋を削減しようという試みが各地で広まっている▼ところが、環境省が先月発表した初のレジ袋使用実態調査によると、調査直前の1週間にレジ袋をもらった消費者は85%で、もらわなかったは12%と、意識はかなり低い。それでも、レジ袋の有料化「賛成」は46%に対し「反対」は29%と、削減の共通認識はある。今必要なのは「レジ袋は無料が当たり前」の常識を変えるきっかけか。6月は環境月間。 (07/06/09)

暗い話題が多い中、「河瀬直美さんカンヌ国際映画祭グランプリ」のニュースが嬉しい。30代の若手映画監督。受賞の対象となった『殯の森』を見てはいないが、以前見た『沙羅双樹』という映画がとても印象に残っている▼奈良の旧市街地を舞台に、ドキュメンタリー映画と錯覚するほど町並みや古民家を繊細に描写し、セリフを極力抑えている。映画の中で「バサラ祭り」の実行委員長を務める生瀬勝久さんが意見を述べるシーンは、台本ではなく持論、と思わせるリアルさだ。特別のメッセージを発するというのではない。見終った後、自分の存在を確かめたくなる不思議さは、映画のリアルさを引きずったせいか▼河瀬さんは、97年に『萌の朱雀』で同映画祭新人監督賞受賞など国際的には早々に注目されていた▼「森理世さんミスユニバース」のニュースもあった。身近なビジネス現場もそうだが、今、日本の女性が元気だ▼『殯の森』の劇場公開を楽しみにしたい。 (07/06/02)

知人に、賭け事が嫌いなFと、好きなAがいる▼嫌いなFは、例えば宝くじについて、「当たるかもしれない」と考えることが浅ましいという。普通に考えれば、競馬の場合、25%が控除されて配当されるから、トータルプラスは確率からして低い。そんなことは先刻承知なのに、分別のある大人がどうして、と▼一方Aは、賭け事全般に精通するが、とりわけ競馬。血統、競走成績、騎手、展開、馬場状態…さまざまなファクターから出走馬を比較検討し、馬券を買う。非日常的この時間の経過がけっこう楽しいとか。当たると「検討が反映された」と喜び、外れると「読みが甘かった」と反省したり、「人智の及ばないツキの流れに接した」心境になったりするという。危うきに近づいて知るリスク。30年の競馬歴が免疫となって無茶はしない、と▼明日は第74回日本ダービー。まれにみる混戦とか。AがFに「一度、馬券買ってみない?」と勧める。「さて、どうしよう…」とF。 (07/05/26)

他人事ではない。「忘れぬようメモした紙をまた捜す」(敢山)、「アレどこだ?アレをコレする あのアレだ!」(読み人知らず)▼このほど発表された恒例の第一生命保険の「サラリーマン川柳コンクール」。短い言葉で巧に世相を言い当て思わず拍手。全国2万3千の応募から、入選100作品を対象に人気投票しベスト10を決めた▼1位は「脳年齢 年金すでに もらえます」(満33歳)。仕事に疲れ、テレビのクイズにもなかなか答えが出ない▼「脳トレをやるなら先に脂肪トレ」(鉄人28年生れ)が最善手かも▼「犬はいい 崖っぷちでも 助けられ」(オレもがけっぷち)。人は、格差社会に放られたまま…なのに▼「このオレにあたたかいのは 便座だけ」(宝夢卵)、「『ご飯ある?』『ツクレバアルケド』『ならいいです…』」(腹減った)。やがて熟年離婚では寂しい▼そうならないためにも「『ありがとう』そのひとことが潤滑油」(ココイコ)であることを肝に銘じたい。  (07/05/19)

立春から88日目を八十八夜。今年は5月2日だった。♪夏も近づく八十八夜。あれに見えるは、茶摘じゃないか…。八十八夜に摘んだ茶は珍重されてきた▼緑茶で、最近話題になったのが、脳梗塞の死亡リスクを低減させるというニュース。栗山進一東北大准教授らによる追跡調査で、1日5杯以上飲む人は1杯未満の人に比べ、脳梗塞の死亡リスクが男性で42%、女性で62%も低下したという。カテキンなどが体によい影響を与えている可能性があると指摘する▼カテキンはこれまでも、体脂肪を減らす効果や抗菌作用があるとされ、緑茶のペットボトルのシェアは茶系飲料で最大という▼筆者も2年前、禁煙と同時に、口寂しさを紛らすため、緑茶のペットボトルが必携になった。煙草は絶ったが、お茶は手放せない。禁煙と同時にカテキン効果。ニュースを聞いて、2倍健康になった気がする▼茶の歴史は1200年とか。生活にとり入れた先人の知恵に感謝。 (07/05/12)

サンペデックの9・10階のステップギャラリーで開催中の「子どもの絵は生きている展」(29日まで)。児童画教室を主宰する村松七郎氏が毎年開いている。第1回目は、現在の船橋市民文化ホールの場所にあった船橋市立図書館で開催したという。50年を超える息の長い展覧会。当時の教え子は団塊世代だった▼村松氏は、子どもたちのイメージを大切にする。「導く」ことはしない。子どもたちと会話し、イメージが膨らむのを待つ。描き方の上手・下手を問うことはしない▼色彩心理学に精通した氏は、子どもたちが表現した絵からメッセージを読み取り、今、子どもがどのような心境にあるか、父母へのアドバイスもする。まさに、自由に表現された絵は「生きている」▼氏はこどもの絵から時代の傾向も読み取ってきた。最近、子どもたちの絵にダイナミックさが欠けてきた。その原因を「外遊びが少なくなったせいではないか」という▼きょうは、こどもの日。 (07/05/05)

街の中を、春が通り過ぎていった。花が散ると、枝についていた新芽が背伸びをするように、萌黄色の葉を大きくし、建物の間で存在感を示す。葉はひと雨ごとに、その色を濃くし、夏への準備を始めた。集合住宅の上階にある拙宅から、その変化がつぶさに観察できる▼気がつけば大型連休。警視庁がまとめた行楽地の人出予想は、5月6日までの9日間に、昨年より137万人多い6596万人。この休日をいかに過ごすか、毎年話題になる▼3月で退職した知人が言った。「連休をどうしよう、と考える必要がなくなった」。会社員時代は休日をコントロールされ、「何かしなくてはいけない」義務感にかられていた。自由になった知人のカレンダーに書き込まれた山行予定は、5月丹沢、6月湯の丸。いずれも平日。新緑や花を愛でる旅だと言う▼常に混雑の中にいた団塊世代。「退職でやっと、自らの時間をコントロールでき、とりあえず、混雑だけは避けられる」と。 (07/04/28)

多くの市町村の投票率は以前より落ちたとはいえ、地方選挙でも、60%は超えている。これが首都圏となると、40%前後と低迷する▼統一地方選の前半戦、船橋市の県議選は、前回を3ポイント上回り40%台を回復した▼さて後半の統一地方選、船橋、鎌ヶ谷は市議選、習志野は市長・市議選だ▼前回の船橋市議選の投票率は40%を下回り過去最低の38・18%。前回並みの投票率だとすると今回、有権者数47万2693人のうち、投票所に足を運ぶ人は18万人で、実に29万人余が棄権となる▼地域を生かすも殺すも、そこに住んでいる人次第。市民が自分のこととして立ち上がらなければ地域はよくならないし展望も開けない▼予算や条例などについての議決権や、いわゆる意見提出権といった多くの権限を持つ市議会の役割は重要。投票に行くということは自分たちの地域をどう創りあげるかを思考し、市政に参加するためのスタート地点。棄権だけは避けたい。 (07/04/21)

毎日必ず「何かの日」になる。ちなみに明日4月15日は「よいこの日」。415の語呂合わせだ。なぜこんな日があるのか、「よいこ」の基準は何なのか、分からない▼『よい子への道』(福音館書店)という小学生向けの絵本を読んでみた。作者のおかべりかさんの漫画が楽しい。絵を見てこそ理解できる本なので内容は省くが、この本でいう「よい子」とは、少なくとも親の基準ではない▼よくいわれる「よい子」とは、親の思うままに育った子ではなかったか。この「よい子」たちは、柔和で素直だが、20歳を過ぎても自立心に欠けるきらいがある。「天職探し」「自分探し」「自分らしさ」…。働かない、働いても長続きしない若者の言い草がそれ▼社会で働く大人たちは、与えられたこと、やりたいことをひたすら必死にやってきた。その仕事の成果が「個性」として社会に認められた人もいる。社会に出たらよい子をやっているヒマはない。必死に生きてみようではないか。 (07/04/14)

卒業式の歌といえば「仰げば尊し」が定番だったが今は少数▼♪教えの庭にも、はや幾年…今こそ、分かれめ、いざさらば。「分かれ目」と誤解すると「今が潮時、早く…」といった感じになる。「め」は、強調を意味する「こそ」と連係し「今、旅立とう」といったニュアンス。2番の♪身をたて、名をあげ―は立身出世の人生観が嫌われた▼明治時代に登場した歌。時代が進むにつれ、歌詞の意味は「何となく分かる」程度で歌われてきたのではないか。それでもこの歌には、別離・門出…など、人生の岐路の繊細な感情が交差する。最近、スーザン・オズボーンのこの歌を聴いた。英語の歌詞だけに、意味を考えることなく耳にはメロディーが特化する。こんないい曲だったけ、と改めて▼鎌ヶ谷五中では、生徒の作詞に音楽教師の栢木幸宏さん(2面「人」参照)が曲をつけ卒業歌にするという。最近は、流行の歌を採用する学校が多いが、オリジナルとは、なんと素敵な卒業式か。(07/03/10)


3×3の升目に、1から9までの数字を入れ、縦・横・対角線のどの列も合計15になる数字の並びを魔方陣という。上段が294、中段753、下段618。古代中国で発見されたといわれる。七五三行事は中段の数字の並びから、同様に、7段15人飾りが基本の「ひな飾り」もここに由来するとも▼きょう3日は桃の節句。昔は知らないが、今、ひな人形は高価だな、と思う。高価なものは、じじ、ばば、頼り。子の健やかな成長願い、身内の子育て支援…▼最近は、地域全体で、ひな壇を楽しむのがブーム。有名なのが勝浦市の「ビッグひな祭り」(4日まで)。遠見岬神社の60段の階段には毎朝、主婦のボランティアが1時間かけて1200体の人形を飾るそうだ。市内全体で2万体以上の人形が飾られるというから、なるほどビッグ▼いつまでも飾っていると、女子の結婚が遅れるという言い伝えも。最近、独身女性が目立つのは、各家庭のしまい忘れが原因?なのか。(07/03/03)

春夏秋冬のうちで、「待つ」という述語に相応しいのは「春」。ところが今年は、「待つ」体感ではない。「例年より早く河津桜が…」などと聞こえてくる、今年の花便りは、「待つこともない」春、の感じがする▼春は、自然の移ろいと同時に、年度替りの時期、人間社会も「待つ」ことが多い季節だ。受験、その合否、卒業、転勤、転居、入社、入学、入園…。「不安」を持ちながらも「希望」がある。「待つ」とは、繊細で複雑な心境の中で時間が経過するものだ▼『まってる。』(千倉書房)という絵本がある。フランスで7歳から77歳まで読める絵本として広まった。「“おにいちゃん”ってよばれる日をまってる」から始まって、一人の男の子の成長と人生を描いた。同書を読むと、なるほど、人生には、様々な「まってる」が待っている▼待つことは、受身ではなく、自らが仕掛けたことへの結果を待つという、覚悟がいる。その繰り返しが成長を促す。この春、あなたは何を待っていますか。(07/02/24)

喫煙者でも、家族に優しいお父さんは、ベランダで吸ったり、自家用車に乗る前に喫煙を済ませておく。ところが、せっかくの優しさも奏功していない結果が出た。昨年暮れの「第65回日本公衆衛生学会」で発表された研究結果によると、喫煙直後に自家用車に乗ると、粉じん濃度は、喫煙者が乗車する前の4倍にもなるそうだ。また、ベランダでの喫煙も、窓を開けたまま喫煙すると、風の向きによって煙が室内に流れこみ、さらに、隣家のベランダにも影響することが判明した▼ハワイや香港といった世界的観光地でも昨年、禁煙法の制定や改定があり、公共施設での禁煙が進んでいるという。喫煙者に、社会の環境は厳しさを増す一方だ▼東京で「嫌煙権確立をめざす人びとの会」が設立され、日本でも本格的な嫌煙運動がスタートしたのが1978年2月18日。ほぼ30年、公共の場での分煙は進んだ。喫煙者にとっては、いっそやめたほうがすっきりするのだが…。(07/02/17)


キャンバスに、約5_四方の紙片を1枚ずつ貼り付けていく。白色でも数種類、迷うことなく感覚のままに。その繊細な色彩感覚はどこからくるのか。開催中の「ほっとinふなばし芸術祭」オープニングでの、はり絵作家・岡田清和さんのパフォーマンスだ▼「障害者の自立は、単純作業や職業訓練だけではないはず」と、実行委員長の奥野満さんらが、船橋での障害者の芸術祭を開催して10年が経った。国内外から、造形、絵画、織物…あらゆる表現手段での芸術作品が、毎年この時期、船橋市民ギャラリーの全展示室を占める▼「障害者の作品の明るさにびっくり」「この絵、癒される」…会場での声だ▼「駆け引きがないから、感じるままに表現される」(奥野さん)。だから、観る人は素直に受け入れる。ここに「障害を克服して」などという、健常者を基準にした価値観はない。それこそ「ノーマライゼーション」(共に生きる社会)。芸術祭が目指したものはそれ▼11日まで。(07/02/10)


知人に、2歳半の孫がいる。孫が産まれて明らかに変化したことがあった。同じ年頃の幼児に思わず目が行き、しばし見守り、手を引く親には「子育て頑張れ」と心の中で応援している自分に気づくのだという▼「普通」の人はそうなんだ、と思う。だとすると、「女性は子供を産む機械」などと考える人は普通の人ではないんだ、と思う。長い間政治家をやっている人は、しばしば、普通ではない、と思うことがある▼それまでは政治家ではなかった人が、宮崎県知事になった。知事公邸に住むかどうか迷っているという。テレビの取材に「こんな豪邸、維持するにも金が要るし、壊すにも金が要る。どうしてこんなもの建てたんだろうね」と東国原知事。それが普通の人の感覚というものだ▼この国は、普通じゃない人が政治をやっているのだと思う。だから庶民感覚とはずれが生じた。制度も役人も政党もリセットし、本当の意味の出直し選挙をやってみたらどうか。(07/02/03)

冬型の気圧配置が強まるこの時期、三番瀬から富士山がくっきり。その富士山が23日、世界遺産暫定リストに入った▼富士山の世界遺産登録運動は90年代初めから。当初は「自然遺産」運動。ゴミ・し尿問題などの理由で国は03年、推薦を見送った。今回、信仰・文化に普遍的価値を持つと評価された▼富士山に降る雪や雨は地中に浸透し、やがて富士五湖や柿田川に湧き出て麓の生活を潤す。富士山の円錐形の形状や自然が地域に独特の文化を育み、日本人の富士信仰に結びついてきた▼ただ、世界遺産登録までは険しい道のりが待つ。国内の暫定リストの中から1年1件、ユネスコ世界遺産センターに推薦し、現地調査を依頼、その報告書を基に登録の可否が決定する▼リスト入りに際しては「遺産保護と地域開発のバランスが必要」など課題も指摘されているが、ぜひ乗り超えてほしい。登録されることで、国に遺産保護の義務が生じる。ならば、富士は未来につながる。(07/01/27)

年明けから何度か揺れを感じた。思えば、阪神大震災は12年前の亥年。先週末は、震源地が千島列島沖なのに千葉県でも揺れた▼その地震で、北海道では津波警報に続き、避難勧告が出された。一帯では、昨年11月にも警報が出ている。羅臼町での避難は前回の1313人に対し、今回は208人だったそうだ。「前回、何もなかったという慣れのせいでは」と地元自治体はみる▼気象庁では今秋から「緊急地震速報」を流す。地震が発生するとP波と呼ばれる速度の速い初期微動が先に届き、その後に大きな揺れをもたらすS波が来る。その時差を利用し地震情報を数十秒前に伝える仕組み。ただ、突然の情報はパニックになる。そうならないよう、秋までにシステムの周知を図るという▼情報慣れは、危機感をマヒさせる。自己判断は危険。予期しないことが起きるから被害となる。備えが徒労に終われば、災害が起きなかったことを意味する。幸いなことではないか。(07/01/20)

 

 


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