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学生たちのまちづくり D
千葉工業大学工学研究科建築都市環境学
古池広道さん
■プロフィール こいけひろみち 薬円台在住。建築家の父・廣行さんの影響で建築を学ぶ。研究は「地図情報を活用したまちづくりに関する研究」。昨年4月から金杉地域を事例に調査研究に取り組んだ。
地域地図で住民が情報共有
まちは、住民、企業、行政など様々な人が関わってできている。住民といっても、先祖代々その地に住んでいる人もいれば、60年代の団地造成とともにやってきた人、新興住宅地開発で移り住んで10年未満の人など、様々だ。そうした年齢も考え方も立場も違う人たちで一つの方向性を見つけ出そうというのだから、まちづくりは簡単には行かない。そこで、多様な人が関わるまちづくりを支援する道具に「地図」を活用してみたらどうか。千葉工業大学の古池広道さんの研究テーマだ。
「『まちづくり』とは、宅地開発などで地域コミュニティのかたちが変化し、それによって生まれた地域課題を解決しようというもの」と古池さんは考えている。
その一つが金杉地域という。70年の金杉台団地造成やその後の戸建住宅地開発で、農地や集落人口は減り、かつて地域生活を支えてきた青年団や地産地消の流れは失われてしまったからだ。
一方で、この地域に残された谷津田という自然環境を守っていこうとする市民も出てきた。それには金杉台団地に住む定年を迎えた男性たちも加わっている。谷津田の持ち主である農家から田を借り稲作などをするようになった。それまで関わりの薄かった新住民と旧住民が、谷津田を介して関わりを持つようになったのだ。そして、将来の金杉谷津田の姿を議論する場が生まれてきた。
「ただ、人によって持っている情報が違い、まちの見え方も違っている」と古池さん。
例えば、80歳代の男性に昔話を聞いたとき、「金杉村」と地域を呼んでいた。それは合併前、旧村で使っていた集落区分。だが50歳代の息子さんに聞くと、現在の行政区分の金杉を思い浮かべていた。
そこで古池さんは、金杉地域の地理・歴史・人材など、調査で集めた情報を誰もが一目で理解できるような地図にし、インターネットで誰でも見られるようにしてみた。
地図は数十枚にもなった。地域の人材を記した地図は、「地域の昔話ができる」「古文書を持っている」などプロフィールを添えて住んでいる場所にマークをつけた。ほかにもNPOや市民活動などをテーマにしたもの、「昆虫観察会」「夏祭り」など地域イベントを記したものなどを作成した。
地図に記すことで、「地域のどこに、どんな資源が、どれくらいあるのか、誰もが一目に分かる」ようになった。
「まちは様々な人が住んでいる。だから誰もがまちづくりに関われるように、敷居を下げるのが地図の働き」と、地図の有効性を、そう話す。
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