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埋めたて前後の谷津海岸背景に昭和初期のエピソード盛り込み
「だるま船」著す 鷺沼台・三橋勇さん

 埋め立て前後の谷津の海を舞台にした恋愛小説「だるま船」が文芸社から全国発売された。著者は谷津出身で鷺沼台に住む三橋勇さん((64)=写真)。
  金沢生まれの男性と福岡生まれの女性が、62年に谷津で出会ってからの20年間の話を軸に、埋め立て前の活気あふれる船造りや海苔養殖の様子が克明に描いた。
  三橋さんの生家は、大正時代に祖父が興して3代目の造船業を営んでいた。遠浅の谷津の海では、沖の母船と岸とを結ぶ木船の「だるま船」や、海苔を採る「ベカ船」活躍していた。周辺にはその船大工職人が20人ほどいたが、埋め立て後の64年に廃業を余儀なくされた。
  「だるま船」は、動力がなくタグボートで沖まで曳かれる「手も足も出ない」意味で、主人公のシャイな人柄をこのタイトルに込めた。
  作品には、荒っぽいが人情厚い職人たちの生活や、背景にある豊饒の美しい谷津の海が生々しく再現された。祖父から聞いたという、谷津遊園にあった、名優・坂東妻三郎の撮影所の話もエピソードに加えた。
  三橋さんは「学生のころから谷津の思い出を書いてみたいと思っていた」。60歳で定年となり3年かけて執筆。原稿用紙300枚になり出版社に持ち込むと、昨年12月に全国発売となった。
  三橋さん夫婦は共に習志野一中出身。中学校が津田沼駅近くにあった時代だ。「めざましく変わる故郷の風景を伝えたい」という三橋さんの作品を、妻の洋子さんは「いいじゃない」と評価してくれた。
  単行本判。232ページ。1470円。市内の主要書店で販売中。 (2008/02/2)

 

 

 

 


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